元日本代表DF森脇良太のW杯オランダ戦解説「戦術面とメンタル面の問題をピッチ上の選手たち自身で解決してしまった」
うまくいっていないと感じる試合の入り
特に立ち上がりはオランダにボールを握られて、なかなかプレッシングにも行けませんでした。ミドルブロックと自陣でのブロックを使い分けて、そこからカウンターを狙う戦いになりましたけど、選手たちは「あまりうまくいっていないな」と感じるような試合の入りだったかもしれませんね。
ただ、僕はこの試合のカギは、日本の前からのプレッシングになると思っていました。例えば相手のゴールキックや自陣からのビルドアップに対して積極的に前からプレスを仕掛けるべきだと。
前田大然選手をシャドーの位置でスタメン起用したのも、森保監督がそうしたプランを持っていたからだと思いますが、おそらくW杯初戦の重圧や、(コディ・)ガクポ選手をはじめとする個人能力に優れたオランダ攻撃陣の圧力を、選手たちがピッチの中で感じすぎた部分があったんでしょうね。
それでまずはミドルブロック、プラス、自陣でブロックを作って守ろうという判断を、選手たち自身でしたんだと思います。
注目は中村のゴールが生まれる前のシーン
中村敬斗選手のゴールももちろん素晴らしかったんですが、僕が注目したのはその前のシーン。鎌田大地選手が相手ディフェンダーを敵陣深くまで追いかけてバックパスを蹴らせて、そこに上田綺世選手、そして前田選手が猛然とプレッシャーを掛けたことで、ゴールキーパーに苦し紛れのロングキックを蹴らせたんです。結局これがタッチを割って得た日本ボールのスローインから、同点ゴールは生まれています。
ただ、そうした戦術面以上に大きかったのは、メンタルの部分。FIFAランキング8位の強豪国に対して二度リードを奪われても気持ちが折れず、最後の最後まで我慢強く戦えた。
何より僕が感心したのは、選手たち自身で問題を解決してしまったことなんです。先制された後も、そして64分に2点目を奪われた直後も、選手たちが円陣を組んでしっかりとコミュニケーションを取っていました。大観衆の中ではなかなか声が通らないんですが、あのタイミングを利用して選手間で話し合い、軌道修正できたのは、森保監督のもとで8年間培ってきたチーム力の証明だと思うんです。
そこで戦術面の確認ができたのはもちろん、焦れずに我慢強く戦おうと、メンタル面を整えられたことが、非常に大きかったと思いますね。