長友佑都の特注ヘッドバンド、南野拓実のスピーチが空気を変えた そして日本代表の左シャドー問題にも解決策が!?
心を揺らした南野拓実のスピーチ
ナッシュビルSCの練習場で行われた初めてのトレーニングには28選手が姿を見せ、負傷中の南野拓実を除く27人がボールを使ったメニューに参加。左足の違和感で別メニュー調整が続いていた遠藤航もスパイクを履いて合流し、途中で「確認」のために全体練習から外れたという。
トレーニング開始前のロッカールームでは、南野がチームメイトに自らの想いを伝えた。鈴木彩艶によれば「拓実くんらしく、みんながパワーをもらえるような、笑顔が出るようなコメント」だったとのこと。他の選手たちも一様に、負傷により2度目のW杯出場を断念せざるを得なくなった仲間の言葉に心を動かされたようだ。
スピーチに関しては「出られない選手が僕たちをしっかりと全力でサポートする」「初戦が大事。死ぬ気でやらなあかん」「チャレンジャーとしてやっていこう」といった内容が断片的に伝わってきているものの、全貌は分かっていない。それでも南野の想いはチームメイトたちの心に響いている。鈴木彩艶はこう言っていた。
「拓実くんは練習も見てくれていましたけど、ところどころで戦術的なコメントや雰囲気的なコメントもしてくれたので、本当にみんなの気が引き締まる感覚があった。本当に素晴らしい選手が入ってくれたなと、あらためて思います」
「それでも僕たちをしっかりと支えると発言できる。やっぱり自分たちが彼の分までやらないといけないという気持ちになりました。彼がこのチームを引っ張ってきたからこそ、(今回は)メンターとして(の帯同)ですけど、このチームに関わっている意味は大きいと思います」
W杯前最後のオフを挟んで再始動するタイミングでチームに対して声をかけたのはなぜか。2022年のカタールW杯を経験している南野は、自らの経験を踏まえて直前のここからさらに一段階ギアを上げていかなければならないことを意識させたかったのではないだろうか。
過去4度の経験を踏まえて…
しかし、5度目のW杯出場となる長友佑都はさらに研ぎ澄ませていく必要性を感じていた。
「もう一段、二段、引き締められる感じがしているんです。今日もいろいろな練習をやりましたけど、最後にすごくガッと締まったいい練習ができたんですよね。もちろん環境が変わって、暑さもあるんだけど、そんなのはもう全く関係ない。W杯が来る。目の前なんでね。
4年間かけて僕らはここに来たし、カタールW杯であれだけ悔しい思いをしてここに来たことを忘れてはいけない。もう一度、一人ひとりがあの時の映像を見直した方がいいと思いますよ。僕も含めて。それくらい目の色を変えないと。相手も目の色を変えてくるんでね。(カタールW杯で)優勝したアルゼンチンはすごかったですよね。目の色を変えて。あのくらいの覇気を出していかないと、やっぱり優勝はできないですよ」
長友は10日の練習に日本から持参した、日の丸と背番号の「5」が刻まれている特注のヘアバンドを着けて参加した。「タイミングは全然考えていなかった。ナッシュビルに入って、W杯の熱量と、いよいよ感が出てきたので、ちょっと気合いを入れて今日着けたかった」というが、かつて2018年のロシアW杯直前にいきなり金髪で練習場に現れたように、チームの空気を変えようという意図があったのは間違いないだろう。
「ブラジルW杯の前は順調に4年間進んでいった。あの時もフランスやアルゼンチンに勝ったし、ベルギーにも勝って、自信を持っていた部分が実際は過信だったということに終わってから気づくところがあった。ロシアW杯や南アフリカW杯、カタールW杯の時もけっこう叩かれていたじゃないですか。チームがうまくいかなかったし。そういう時の方が引き締まりやすいのは人間的にあるんだけど、(うまくいっているからこそ)ここでもう一度引き締めないといけないなと感じています。練習から多少のケンカになってもいいくらいにぶち当たり合える関係、そういう必死さがこのチームには大事になってくるなと思うので」