アイルトン・セナ不滅の6勝 モナコで勝つのはいかに難しいか
アントネッリの歴史的勝利
レース終了直後、2位に入ったルイス・ハミルトンが真っ先にアントネッリに歩み寄り、勝利を祝福した。現在41歳のハミルトンが、18年前の2008年に23歳でモナコを初制覇したのが、これまでのレコードだった。アントネッリはそれを大幅に更新したことになる。
モナコで勝つことの難しさ
エスケープゾーンがほとんどなく、ガードレールの迫る狭いコースは、ほんの些細なミスが即リタイアにつながる。それでもミリ単位でガードレールを攻めなければ、予選で上位グリッドを取ることはできない。コース上の追い抜きはほぼ不可能だから、グリッド順がレース結果に直結するのだ。
それでも今年のように、数年ごとに大荒れのレース展開がやってくる。その状況で78周の長丁場を走り切るには、精神的タフさに加えて運の良さも必要だ。ちなみに予選順位が絶対視されがちなモナコだが、実は2000年以降ポールシッターがそのまま優勝できたのは16回にとどまる。本人のミス、チームのお粗末な戦略、不運なメカトラブルに見舞われ、勝てたはずのレースを落としている。モナコで勝つことの難しさの、ひとつの証左であろう。
通算105勝と、F1で最も多く勝ってきたハミルトンでさえ3勝、マックス・フェルスタッペンは2回しか勝てていない。しかし一人だけ、モナコで突出した結果を出したドライバーがいる。アイルトン・セナである。生涯41勝のうち、モナコだけで6勝。5回のポール獲得記録も、いまだに破られていない。モナコで最も速く、最も多く勝った男、それがセナだった。