「プレッシャーに負けた」渋野日向子が語ったコメント、その真意とは… 上田桃子の全米女子OPレビュー
鉄壁の冷静さに「ほころび」生じる瞬間
終わった後のインタビューを聞いても、いつもものすごく冷静沈着な印象がありました。
ただ、そんな彼女でも今日はラウンド中に葛藤が生まれたり、冷静さにほころびが生じたりする場面があったように感じました。
会場のリビエラカントリークラブを象徴する10番パー4で1オンに成功し、バーディーを挙げて首位に1打差と迫った。
続く11番はパー5。一気にトップに並びかける流れにありました。ですが、30ヤードほどのアプローチを下り3メートルの難しいラインにつけてしまい、バーディーを挙げられなかった。
あのホールを取れていたら、周りを気にせずに自分のプレーにフォーカスできたと思うんです。
でもあれを取れなくて、ちょうど目の前にある順位ボードを見たら、嫌でも上位との差を気にせざるを得なくなる。
難しいシチュエーションになって、さらにスコアも落としてしまうと、いくら普段は冷静沈着な選手であっても焦る。
ツキに見放されてしまっているような気もする。
結果論といえばそれまでなのですが、畑岡選手ほどのアスリートであっても、そういう心理的な窮地に追い込まれてしまう。
それがサンデーバックナイン(メジャー最終日の後半)なのかなと思います。
海外メジャーで優勝争いをするには、技術やマネジメントの引き出しの多さと、メンタルのタフさが問われます。
畑岡選手は10年間も世界最高峰のアメリカツアーで戦う中で、誰よりも多くの引き出しを持っている。
加えて、メンタルのタフさも養っていると思います。
私も向こうでプレーしていた当時は、アジア人という見られ方で苦労した経験があります。
言語の問題も壁だと感じました。
日本だったら当たり前に来る宅配便も届かない。
飛行機も予定どおり飛ばないし、ロストバゲージ(航空会社に預けた荷物を紛失されてしまう)もよくある。
私もすごく鍛えられました。
その中で戦い続けられていること自体が、畑岡選手の強さ、タフさを証明している。
レベルが高い舞台だからこそ、そういう選手たちの「地力」があぶり出されるところがある。
4日間戦う中で、畑岡選手が優勝争いに加わってくるのは、ある意味自然な流れなんだと思います。
国内組の健闘、その理由とは
リビエラカントリークラブでプレーする姿をみて、3人ともアプローチとパターの技術が非常に高いとあらためて感じました。
でも今は違う。
そうした中で、プレーの引き出しは確実に増えている。
だからこそ3人とも、コースコンディションや状況が刻一刻と変わる海外メジャーでも、しっかり4日間を戦いきることができたのだと思います。