日本代表が挑むのは「W杯勝率歴代3位」の雄 データで浮かび上がるライバル3カ国の足跡

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実力伯仲の4チームが顔をそろえるグループF。激戦が予想される 【写真は共同】

 サッカー界最大の祭典、FIFAワールドカップ(W杯)2026が北米大陸を舞台に幕を開ける。数多のドラマが生まれるであろうグループステージの中でも、激戦が予想されるのがグループFだ。悲願の初優勝を目指す欧州の雄オランダ、アジアの盟主として歴史の扉をこじ開けようとする日本、勝負強さを誇る北欧の巨人スウェーデン、そして鉄壁の守備でアフリカの誇りを示すチュニジア。

 実力伯仲の4チームが織りなす戦いは、単なる勝ち点の奪い合いにとどまらない。それは、各国のサッカー史、選手たちの誇り、そしてサポーターの願いが交錯する90分間となるだろう。本稿では、Optaのデータを基に、グループFを構成する4チームを掘り下げていく。

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無冠の帝王、3度の準優勝が物語る悲願

悲願達成の鍵を握るメンフィス・デパイ(左)。W杯通算勝率歴代3位のオランダを牽引する存在だ 【写真は共同】

 「トータルフットボール」で世界を魅了して以来、オランダは常に世界のトップレベルに位置してきた。今大会で12回目のW杯出場となる彼らは、その歴史の中で、世界中のサッカーファンの記憶に残る数々の名勝負を演じてきた。しかし、その輝かしい歴史には、一つの大きな空白が存在する。それがW杯のトロフィーだ。1974年、1978年、そして2010年と、実に3度も決勝の舞台に立ちながら、あと一歩のところで涙をのんできた。優勝経験がない国としては、この準優勝回数は最多であり、「無冠の帝王」という称号は、彼らの実力と悲運を同時に物語っている。

 その実力を裏付けるように、オランダのW杯通算勝率は54.5%(55戦30勝、PK戦を除く)を誇る。これは、サッカー王国ブラジル(66.7%)とドイツ(60.7%)に次ぐ歴代3位の記録であり、彼らが一貫して高いパフォーマンスを維持してきたことの証左である。さらに、PK戦を除けば、W杯の直近19試合での敗戦は、2010年大会決勝でスペインに0-1で敗れたわずか1試合のみ。グループステージでの最後の敗戦は、1994年大会のベルギー戦(0-1)まで遡らなければならない。こうした安定感こそが、彼らが常に優勝候補として名前を挙げられる所以である。

 この強力なチームを牽引するのが、エースのメンフィス・デパイだ。国際Aマッチでの通算得点55はオランダ代表の歴代最多記録であり、アシスト数35(1978年W杯以降)もまた最多である。大陸予選でも8ゴール4アシストと傑出した活躍を見せ、チームを本大会へと導いた。彼がピッチ上で放つ輝きが、オランダの悲願達成への鍵を握っていることは間違いない。また、指揮を執るロナルド・クーマンにとっては、これが監督として初めてのW杯となる。現役時代に2度の大舞台を経験した名選手が、今度は指揮官として、母国に初の栄冠をもたらすことができるか。その采配に大きな期待が寄せられている。

ベスト8の壁、越えるべきは自らの歴史

2大会連続でW杯で指揮を執る森保一監督(左)のもと、悲願のベスト8越えへ。久保建英(右)らの活躍に期待がかかる 【写真は共同】

 アジアサッカー界の先頭を走り続けてきた日本にとって、W杯は常に特別な意味を持ってきた。1998年の初出場以来、今大会で8大会連続の出場となる。これは、現在11大会連続出場中の韓国に次ぐ、アジアで2番目の記録だ。この継続的な出場は、日本サッカーが確固たる地位を築いてきたことの証明に他ならない。しかし、彼らの前には、いまだ越えられずにいる高く厚い壁が存在する。それが「ベスト8の壁」である。

 2002年、2010年、2018年、そして記憶に新しい2022年大会。日本は4度にわたってベスト16に進出しながら、その先の準々決勝へと駒を進めることができずにいる。W杯史上、ベスト8入りを果たしていない国の中では、日本の出場試合数(25試合)は最多であり、この記録が、彼らの目標の明確さと、それを阻んできた歴史の重さを物語っている。この壁を打ち破ることこそが、日本サッカー界全体の悲願となっているのだ。

 その悲願達成に向け、今大会のチームには大きな期待が寄せられている。アジア予選では、不戦勝となった北朝鮮戦を含め、16試合で全体最多となる54得点(1試合平均3.4ゴール)を記録。その圧倒的な攻撃力で、開催国を除けば世界で最も早く本大会出場を決めた。この攻撃陣の中心には、才能豊かな選手たちがいる。久保建英(4ゴール8アシスト)、伊東純也(1ゴール10アシスト)、そして上田綺世(8ゴール2アシスト)の3選手は、いずれもアジア予選で二桁のゴールに直接関与しており、これは同予選に参加した国の中で最多の人数である。彼らが織りなす多彩な攻撃は、世界の強豪を相手にしても十分に通用する可能性を秘めている。

 チームを率いるのは、森保一監督。日本代表史上、唯一国際Aマッチを100試合以上指揮し、2大会連続でチームをW杯出場に導いた初の監督でもある。前回大会でベスト16という結果を残した指揮官が、自らが築き上げてきたチームとともに、日本のサッカー史に新たな1ページを刻むことができるか。挑戦の時が迫っている。

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