北中米W杯48チーム徹底分析「森保ジャパンの勝算は?」

W杯出場48チーム「エースストライカー完全格付け」 上田綺世の世界での位置付けは? 日本の対戦国の9番は?

片野道郎

ノルウェーの怪物ハーランド(左)やイングランドの主砲ケイン(中央)など、現役トップのストライカーが集うW杯。上田(右)はその中でどのくらいに位置づけられるか 【Photo by Stuart Franklin/Alex Pantling/Visionhaus/Getty Images】

 サッカーで一番の華はやはりゴールだろう。そして、それを生み出すことが最大の使命と言えるのがストライカーだ。ここでは、FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会に出場する全48チームのエースストライカーを完全格付け。欧州を拠点に世界のサッカーを追い続ける識者が、クラブ・代表での近年の実績などを判断材料に、48人をS、A、B、C、Dの5つのランクに振り分けた。

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他に明確な差をつけて世界のトップ3に君臨する超ワールドクラス

エムバペは過去2大会で計12ゴール。元ドイツ代表のクローゼが保持するW杯最多得点記録まであと4だ 【Photo by Stephen Nadler/ISI Photos/ISI Photos via Getty Images】

【Sランク】
ハリー・ケイン(イングランド)
キリアン・エムバペ(フランス)
アーリング・ハーランド(ノルウェー)


 今大会に参戦するストライカーの中で、世界基準で見ても「別格」と呼べるのが、ケイン(イングランド)、エムバペ(フランス)、ハーランド(ノルウェー)の3人だ。それぞれブンデスリーガ、ラ・リーガ、プレミアリーグの2025-26シーズン得点王であり、国内リーグとチャンピオンズリーグを合わせると、ケインは44試合・50得点、エムバペは42試合・40得点、ハーランドが45試合・35得点という驚異的な数字をたたき出している。

 もちろん代表でも絶対的なエースストライカーであり、ともに通算3度目のW杯出場となるケインとエムバペは過去2大会の得点王を分け合っている。今大会の予選8試合で16得点を挙げノルウェーを28年ぶりのW杯に導いたハーランドも、そのゴールで母国を躍進に導けば得点王レースに絡んでくる可能性がある。現時点においては、続くAランクに並ぶ錚々(そうそう)たる顔ぶれにも明確な差をつけて、世界のトップ3に君臨する超ワールドクラスであり、Sランクという「特別扱い」に値する偉大なストライカーだ。

上田が今季エールディビジで挙げた25得点は傑出した数字

3年目のフェイエノールトでゴールを量産。上田はエールディビジ得点王の看板を引っ提げて大舞台に乗り込む 【Photo by Alex Pantling/Getty Images】

【Aランク】
ラウタロ・マルティネス(アルゼンチン)
オマール・マルムシュ(エジプト)
ニコラス・ジャクソン(セネガル)
ヴィクトル・ヨケレス(スウェーデン)
クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)
カイ・ハバーツ(ドイツ)
上田綺世(日本)
ジョナサン・デイビッド(カナダ)
マテウス・クーニャ(ブラジル)
ミケル・オジャルサバル(スペイン)
アントワーヌ・セメニョ(ガーナ)


 今回の格付けにおいては、センターフォワードに求められる資質として、決定力、オフ・ザ・ボールの動き、アシスト、カウンターアタック、ポストプレーとビルドアップ関与という5項目を挙げ、それぞれを10点満点(0.5点刻み)で採点した上で、W杯のような短期決戦で決定的な重要性を持つ「決定力」だけを1.5倍に補正した総合点で順位をつけた。

 ここでAランクに入ってきたのは、欧州5大リーグの有力チームで主力として活躍しているビッグネームばかりだ。その中で、セリエA得点王でありCLも合わせると21得点を挙げているラウタロ・マルティネスが1人抜きん出ているが、アルゼンチン代表で常時出場できるかも含め(フリアン・アルバレスとポジションを争っている)、Sランクには届かないと判断した。

 クラブでの活躍という観点から見ると、マルムシュ(エジプト)やジャクソン(セネガル)、ハバーツ(ドイツ)ら不本意なシーズンを送った選手も多く、ロナウド(ポルトガル)も年齢的な衰えは否めないが、代表での位置づけ、本来のポテンシャルなどを加味して高めの評点をつけている。ここに上田が入っているのは意外かもしれないが、エールディビジとはいえ25得点は傑出した数字であり、Aランクに値すると評価した。

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著者プロフィール

1962年仙台市生まれ。95年から北イタリア・アレッサンドリア在住。ジャーナリスト・翻訳家として、ピッチ上の出来事にとどまらず、その背後にある社会・経済・文化にまで視野を広げて、カルチョの魅力と奥深さをディープかつ多角的に伝えている。2017年末の『それでも世界はサッカーとともに回り続ける』(河出書房新社)に続き、この6月に新刊『モダンサッカーの教科書』(レナート・バルディとの共著/ソル・メディア)が発売。

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