2つの顔を持つコース?起伏だらけの狭小グリーン、攻略のカギは… 上田桃子の全米女子OPプレビュー
2028年のロサンゼルス五輪でゴルフ競技の会場になることも決まっているコースで、女子のトーナメントが行われるのは史上初。記念すべきこの大会で、23人出場する日本勢の躍進はあるのか。
U-NEXTでラウンドリポーターを務めるため、現地入りしている上田桃子が見どころを語る。
美しいだけではない。名門コースが選手に求めるものとは
通用口をくぐり、1番ホールの左側に出ると、上田はため息とともにコースの風景に見入った。
上田 本当にきれいな場所ですね。
くしくも、練習ラウンドを行う小祝さくら、竹田麗央が手を振って近づいてくる。
ひとしきり会話を弾ませ、手を振って2人を送り出すと、すぐにコースチェックへと出発した。
ティーショットを打つ上でのプレッシャーは、そこまでないように感じた。
第2打地点のラフは、例年の全米女子オープンに比べて、ボールが沈まない。ただ、10番以降は、距離が長いホールが多い。しかも、そういうホールに限って、午後から向かい風が強まる。
実際に第2打地点から見ると、より遠くに感じられる。それには理由がある。
上田 どのホールも、グリーンが小さい。それでいて、グリーン上を含めて周囲の起伏がとても大きい。グリーン周りがすごく難しい、という印象を受けました。
例えば、名物ホールの10番パー4などは、グリーンの奥行きが40ヤード近くあるにも関わらず、横幅が10ヤードもない。
左右のバンカーに外してしまったばかりに、そこからの次のショットが反対側のバンカーに転がり込む。そんなシーンは、この会場で毎年2月に開催される米国男子ツアーの「ジェネシス招待」でもよくみられる。
上田 実際に見て回っても、バンカーに近いサイドにピンが切られている上に、バンカー側からの下り傾斜になっているところが多くみられました。ピンに近い側のバンカーからでは、ピンそばに止められない。その重圧が、セカンドショットを打つ上での難しさを生んでいます。
もうひとつの武器、いくつもの引き出し…コース攻略のカギとは
上田 ティーショットの重圧がなく、距離の長いホールもあるので、飛距離の出る選手は強みを活かせる。竹田麗央選手などは、小さいグリーンへのパーオン率という意味で、アドバンテージがあるかなと思います。あとは今日ラウンドを見た中では、岩井千怜選手がすごく調子が良さそうでした。彼女も飛距離があるので、活躍が期待できそうだと感じています。
上田 彼女は100ヤード以内からの寄せがとてもうまい。グリーンが小さいので、ショットのいい選手でもパーオンできない状況は必ず出てくる。そうなると、下り傾斜の中でピンそばにボールを止める難しいアプローチが求められます。
6番パー3をチェックしている最中には、韓国の世界ランク3位・キム・ヒョージュがグリーン上でウェッジを使う場面にも遭遇した。
ボールをきれいに浮かせ、グリーン中央に設けられた名物バンカーを越えた一打は、ピンをオーバーして奥のラフに出た。だがそこにある強い傾斜で戻り、カップ横にぴたりとついた。技術に加え、そうしたイマジネーションも大事だと感じる。
上田 国内女子ツアー勢だと、佐久間朱莉選手はここのところ、アプローチのスキルがすごく上がっていると感じます。ロブショットが非常に得意な桑木志帆選手なども含めて、飛距離に加えてアプローチ技術とイマジネーションをあわせもっている選手が、順位を上げていく気がします。
上田 最も期待できるのは、畑岡奈紗選手のような、とても引き出しが多い選手です。コースの特徴に風の影響が加わって、午前と午後でまったく状況が変わるので、それに対応できる引き出しがある選手はすごく強いんじゃないかと思います。勢いがある若い選手は、得意な状況にハマる日はすごく強いと思いますが、4日間トータルでみるとタフな戦いになる気がします。