どうなる?2026年MLB開幕1カ月診断

大谷翔平がサイ・ヤング賞?山本由伸とタイトルを争うか? 田口壮が日本人プレーヤーの今後を◯か✕か大予想【投手編】

大利実

5月27日(※日時はすべて現地時間)のロッキーズ戦で今季5勝目を挙げ、防御率0点台をキープする大谷翔平 【Photo by Harry How/Getty Images】

 2026年のMLBが開幕して約2カ月。日本人メジャーリーガーたちの、それぞれの現在地や課題、そして進化の輪郭が見え始めてきた。そこで今回は、現役時代に日米で活躍し、セントルイス・カージナルスとフィラデルフィア・フィリーズでワールドシリーズ制覇を二度経験した田口壮氏に直球質問をぶつけた。

 ファンの間でも評価が分かれるテーマに対し、「△なし」の○か×で回答。打撃、守備、走塁、そしてベンチワークまで知り尽くす田口氏は日本人選手たちの今季をどう見ているのか。後編の投手編では、独自の視点から、その現在地と未来を占ってもらった。
※文中の選手の成績は日本時間5月28日時点

ドジャース・大谷翔平がサイ・ヤング賞を獲得する

田口氏はMLB日本人投手たちの今季をどう占うか 【撮影:スリーライト】

田口氏の予想「〇」

――昨季、ピッチャーとして本格的に復帰した大谷翔平投手が、今季は開幕から圧倒的な数字を残しています。取材日時点で8試合に登板し、4勝2敗、防御率0.73。日本人初のサイ・ヤング賞受賞なるでしょうか。


 今の状態が続くのであれば、十分に可能性はあります。本当に「圧倒」という言葉が似合っていますね。スピード自体は昨年とほとんど変わっていませんが、ピッチングの組み立てがうまく、相手打者をかなり研究している様子が見て取れます。

――サイ・ヤング賞を獲るためのカギはどこにありますか。

 メジャーリーグの場合、勝ち星はほぼ関係なく、防御率や三振などピッチングの内容を見られます。大谷投手にとって、高いハードルとなるのがイニング数です。今のままのペースで投げていると、規定投球回をクリアできるかギリギリのラインで、そこを超えない限りはサイ・ヤング賞もないでしょう。ドジャースはプレーオフに出てからが勝負なので、シーズン中に大谷投手の登板間隔を詰めることはないと思います。ナ・リーグの先発陣は、ジェーコブ・ミジオロウスキー投手(ブルワーズ)、クリストフェル・サンチェス投手(フィリーズ)、ポール・スキーンズ投手(パイレーツ)ら、ライバルが多く、200イニングを超えてくる可能性もあります。

ドジャース・山本由伸が投手タイトルを獲得する

ここまで安定した投球を見せている山本由伸もタイトル獲得のチャンスは十分にあると田口氏は見る 【Photo by Patrick McDermott/Getty Images】

田口氏の予想「〇」

――ドジャース3年目を迎えた山本由伸投手。初の投手タイトルを獲得できるでしょうか。


 サイ・ヤング賞では、大谷翔平投手のライバルになるのは間違いありません。ただ、さきほど大谷投手の質問項目を「〇」にしたので……、最多勝、または防御率のタイトルに期待をしたいと思います。ドジャースの打線(の調子)が上がってくれば、おのずと勝ち星も増えていくはずです。

――山本投手のすごさはどこにあると感じますか。

 序盤に失点したとしても、そこから修正できる対応力を持っていることです。大崩れしない安定感があり、チームに「勝つチャンス」を与えることができる。昨年のプレーオフの疲れは当然あると思いますが、しっかりと結果を出しているのはさすがですね。

ドジャース・佐々木朗希が日米通じて初の規定投球回に到達する

佐々木朗希の表情に手応えと充実感が伝わってくると田口氏は話す 【Photo by Patrick McDermott/Getty Images】

田口氏の予想「〇」

――復調気配が見える佐々木朗希投手ですが、日米通じて初の規定投球回到達となるでしょうか。

 「〇」です。テレビで見ていてもわかりますが、ここのところ、顔つきが明らかに良くなっています。もともと、ピッチングの状態が表情に出やすいタイプですが、ベンチでチームメイトやコーチと話す姿を見ても、かなり前向きな感じが伝わってきます。そろそろ、心配がないところまで上がってきているのではないでしょうか。

――ピッチングに、どんな成長が見えますか。

 基本的にはストレートとフォークが主体ですが、そこにスライダーが加わり、ピッチングの幅が広がり始めています。ピッチャーとしては、MLBの中でもトップクラスの潜在能力を持っているのは間違いありません。ゆくゆくは、大谷投手、山本投手、佐々木投手の3人でサイ・ヤング賞を争う日が来るかもしれません。

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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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