アシスト2位と大ブレイクの台湾出身PG B1滋賀・游艾喆が語る恩人と、お気に入りの日本人PG
游艾喆(ゆう・あいちぇ)もそんな一人だ。チャイニーズタイペイ代表でもプレーしている24歳で、2024-25シーズンからB1「滋賀レイクス」に所属している。今後の成長も楽しみな180センチ・78キロのポイントガード(PG)だ。
台湾での彼は高校、大学とタイトルを総なめしているトッププロスペクトだった。国立政治大時代は4年連続でアシスト・スティール王を獲得し、MVPにも2度輝いている。滋賀でプロのキャリアをスタートさせると、来日2シーズン目となった今季は完全にブレイク。1試合平均のアシストは「6.4」で、B1全体で2位の好成績だった。チームもチャンピオンシップ出場は叶わなかったが、昨季の8勝から今季は23勝と戦績を伸ばしている。
今回のインタビューではBリーグとアジアの「新星」としてさらなる活躍を期待される逸材が、自身のキャリアと成長の理由、今後の抱負を語っている。
游選手が感謝するチームメイトは誰?
游 プロとして2シーズン目になり、自分もチームもかなりの進歩を感じていました。他のチームのオフェンス、ディフェンス(DF)に慣れて、コート上で自信が持てるようになりました。チームとしてチャンピオンシップ圏内に入れませんでしたが、今シーズンは成功できたと思っています。
――自分の成長を感じるのは、どのような部分ですか?
游 PGはコート上でのコミュニケーションが大切です。昨シーズンはルーキーで、初めて海外でプレーをしたということもあり、英語のコミュニケーションに慣れることができませんでした。今年は自らチームメイトにコミュニケーションを取って、チームの連携を作り出して、もっといいプレーができるようになりました。自分にとっても、チームメイトたちにとっても、いい環境を作れていると感じています。
――チームメートから英語を教わっている、サポートしてもらっていると聞きました。
游 江原信太朗選手は私と年齢が一緒で、大学のときに対戦しています。彼がよく日本の文化、英会話を教えてくれています。江原選手のおかげで、オンコートもオフコートも安心感を持てて、日本の生活とプレーに早く慣れることができました。(編注:江原選手は父がアメリカ人で英語が堪能)
――江原選手と対戦したのはWUBS(World University Basketball Series)ですか?
游 はい。国立政治大と東海大で対戦しています。
――オフコートでも一緒に過ごすことがよくあるんですね。
游 話題にする話も近いので、一緒に京都へ行ったり、ご飯に一緒に行ったりしています。
――会話は日本語と英語のミックスですか?
游 メインは英語ですが、たまに日本語を教えてくれます。
15アシストを決めた千葉J戦は印象に
游 2試合あります。一つ目は、ルーキーイヤーの琉球ゴールデンキングス戦(2024年10月19日/89◯81)で、プロに入って5試合目で初勝利でした。
二つ目は今シーズンの千葉ジェッツ戦(2026年4月11日)です。第4クォーターだけで9アシストを決めて、自分のキャリアハイとなる15アシストを記録しました。チームも43-57とリードされた状態で第4クォーターに入り、そこから逆転し72-67で勝ちました。
――千葉Jなら、富樫勇樹がいますし、Bリーグで色んなPGとマッチアップしているはずです。対戦した中で「この選手はすごい」と思った相手は誰かいますか?
游 自分は子どもの頃から日本のガードも見てきて、ほぼ全員好きなのですが、特に印象が強いのは、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの齋藤拓実選手です。代表戦でも対戦しましたが、プレーはかなりアグレッシブで「チームの勝利」に貢献できるガードです。自分も、そういう存在に少しでも近づきたいと考えています。
代表チームでは日本と対戦
游 自分は日本でしかプレーしたことがないですけど、日本はアジアの中でもレベルの高いチームです。今回の2試合は長いプレータイムがあったわけではないので、そこまでコメントできません。ただ、ベンチで見たらやはりDFのプレッシャーが強くてそれが効いて、チャイニーズタイペイはオフェンスの連携が崩れていました。チャイニーズタイペイが日本に勝つならば、同じレベルでDFのプレッシャーを掛けないといけません。同じDFができる「仕組み」を代表にも伝えられればと思うし、自分も(DFを)頑張ります。
――チャイニーズタイペイの代表だと、レイ・チェン(陳盈駿)選手は中国本土のCBAでプレーしています。游選手は前から日本のバスケを見ていたとのことですが、日本のバスケに関する情報や、憧れを持って滋賀に来たのですか?
游 Bリーグへの憧れより、大学時代に日本のチームと対戦したことがその後のキャリアに影響を与えました。日本のガードは現代バスケの潮流に合ったプレーをしていると感じたし、自分もここでプレーできたら、いいガードと対戦できるなと思いました。だから滋賀レイクスのオファーが来たとき「行きます!」とすぐ決めました。
――游選手が考える自分の強みとか、「ここは Bリーグの中でも特別だ」と言える部分はどういうところですか?
游 まだ色々と勉強しないといけない部分もありますけど、Bリーグでプレーして強みと感じるのは、短時間の判断力と、クリエイティブな部分です。
――游選手は相手と近い間合いでもパスを通すし、パスの能力はBリーグの中でも特別です。
游 チームメイトがいいポジションにいたら、PGはそこにパスを出さないといけないし、それがPGの責任だと思います。自分のチームメイトたちが戦術的にでも、偶然的にでも、そのポジションにいたなら瞬時の判断でパスをすることはPGとして一番大事な能力です。