栗山巧が「22年前の打法」に回帰? 今季初打席での完璧な一打、知られざる背景
今季を「締めくくりにする」と宣言した栗山巧は、4月半ばに1軍に昇格。初打席でいきなりクリーンヒットを放った。これ以降、チームが急激に調子を上げたため、打線復活の呼び水になったと見る向きもある。シーズンを通じた独占手記第3回は、好調なチームと自らの打撃の状態について語る。
もう少し、何かアクションを起こせたのでは
ホーム戦に合わせて開催された、僕の現役生活を振り返るイベントでしたが、本当にたくさんの方にお越しいただけてうれしかったです。
当時はまだ二軍にいましたが、試合間隔などの関係でその日の静岡遠征にはおかわり(中村剛也)の方が行くことになって、僕はベルーナドームに隣接したCAR3219フィールドでの三軍戦に帯同していました。
なので、遠目には一軍の試合の雰囲気が見えました。開催2日目の午前中には、現役生活を振り返る写真やユニホームが展示されているブースにもおじゃましました。
すごく立派なものを作っていただいて。すべて自分のものですけど、なんだか自分のものじゃないような不思議な感じがしました。
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その頃の僕は、とにかく必死ではありました。
前回のコラムでも書かせていただきましたが、一軍の投手の球を打つことが目的である以上、本当のところは一軍の投手と対戦しないと分からないところがあります。
加えて、二軍では毎日続けて試合に出るわけではなく、火曜に出たら次は金曜、というようにだいぶ間隔が空く。これまで野手としてやってきた感じというよりも、先発投手に近いリズムの調整になるので、難しさがありました。
その日、その日で切り替えて、打てる状態を作っていくしかない。連戦の中で調子を上げていくのとは感覚が違います。数字だけ見ればヒットも出ていましたし、スイングもできていたので悪くはない状態でしたが、それでもやはり「好調でした」とか「良かったですよ」というのとは少し違う感覚でしたね。
幸運だった「ワンクッション」の時間
電話を受けた瞬間、自ずとすぐに一軍の舞台を想像したので、いろんな意味で緊張しました。一軍では結果が一番大事になってくる。「最初のチャンスが勝負だ」というスイッチがパッと入る。だから、緊張して硬くなったんだと思います。
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とても幸運だったのは、僕には「ワンクッション」の時間があったことです。
日本ハムとの3連戦の初日にあたる4月17日金曜日に、僕は北海道で一軍に合流しました。でも、一軍登録自体は翌日の土曜日だったんです。だから合流初日は、緊張感はありつつも試合には出られなかった。
みんなは大阪からの移動ゲームで少し疲れている中、僕は充電満タンで元気よく北海道入りして(笑)。練習に参加して「よっしゃ」という気持ちにはなるんですが、その日は出場しないので、そこで少しリラックスできたんです。
呼ばれてすぐ登録だったら、心理的にだいぶ違ったと思います。合流から登録まで1日あったことで、すごくスムーズに一軍の試合に入れたと思います。