「ポイント譲っても大丈夫?」井上尚弥と中谷潤人が明かした12ラウンドの頭脳戦の内幕

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井上尚弥と中谷潤人の戦いは歴史的な一戦に 【写真は共同】

 無敗同士、日本人同士で迎えた5月2日のスーパーバンタム級頂上決戦。32戦無敗の井上尚弥と、同じく32戦無敗の中谷潤人が激突した。試合は互いの距離をめぐる高度な技術戦となり、フルラウンドに及ぶ死闘の末、判定は116-112、115-113、116-112の3-0で井上に軍配が上がった。井上は4本のベルトを再び自身の元に戻し、5万5000人の大観衆が詰め掛けた東京ドームでの大一番を見事に制したのである。

 張り詰めた1年間を経て実現した、まさに伝説の1日。試合後の両陣営の声から、この歴史的な一戦の全貌を紐解いてみよう。

序盤の駆け引きと中谷の作戦

 試合は静かな立ち上がりを見せた。1ラウンド、中谷は上背で勝りながらも身を低くして構える。対する井上はジャブと右ボディストレートで探りを入れた。中谷は序盤、あえて手数を抑えていたように見えた。その真意はどこにあったのだろうか。

 試合後の会見で中谷は、「井上選手は学ぶ力がすごく強いので、そういったところで学ばせないといったところで、ああいう戦い方になりました」と明かした。

 自らの手の内を明かさないための、高度な頭脳戦であった。一方の井上陣営も、空間を支配しながら冷静に対応していた。父の井上真吾トレーナーは、「前半は逆に尚弥になかなかパンチを当てられなかったんじゃないか。練習通りしっかりできた」と振り返る。

 静かな水面下で、両者はすでに激しい火花を散らしていたのである。

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