大胆不敵な19歳が卓球中国の連覇に「待った」をかけるか 世界が注目する怪物・松島輝空の強さ
戦力は前回大会から「半減」? 12連覇に向け不安の残る中国男子
2大会ぶりのメダル獲得、そして優勝を狙う日本男子にとって、最も手強い敵となるのは今大会も中国だろう。中国は前回大会で11連覇を達成し、100周年記念大会となる今回の世界選手権にも世界チームランキング1位として出場。しかし、最強軍団も今大会は苦しい戦いが予想される。
前回の2024年大会ではパリ五輪でシングルス金メダリストに輝いた樊振東がエースとして君臨し、リオ・東京と五輪シングルス2連覇の馬龍が3番に控える盤石のオーダーで優勝。樊振東と馬龍に、今大会にも出場する王楚欽の3人で挑んだパリ五輪団体戦でも失点ゼロで頂点に立った。
しかし、パリ五輪後に樊振東が国際大会から離脱し、馬龍も現役を引退。現・世界王者の王楚欽がいるものの、順調に世代交代が進んでいるとは言えない中で、5人中3人が世界選手権団体戦初出場というメンバー構成で今大会へ挑んでいる。ちなみに、現在はドイツ・ブンデスリーガでプレーする樊振東は、中国卓球協会代表の定める今大会への出場資格を有していたが出場を辞退した。
初出場の1人、林詩棟は王楚欽に次ぐ2番手として期待されるが、右肩の故障により今春開催されたワールドカップを欠場。2025年に史上最年少の19歳で世界ランキング1位に立った次代のエース候補ではあるものの、万全の状態とは言えない。同じく初出場の向鵬と周啓豪もビッグゲームでの経験、実績不足で、重圧のかかる試合では起用しにくい。29歳の梁靖崑は3度目の世界選手権団体戦出場となるが、過去2大会では上位ラウンドで起用された経験はなし。接戦での勝負強さが魅力ではあるものの、林詩棟と同様に故障の影響でこのところは思うような結果を残せていない。戦力的には前回大会から「半減」と言っていいだろう。
戦力充実の日本男子、最大の注目は松島輝空
打倒・中国を目指す日本の中でも、今大会、特に注目を集めるのが松島だ。昨年のアジア選手権団体戦、今年3月のWTTチャンピオンズ重慶で世界王者の王楚欽に勝利し、4月のワールドカップではモーレゴード(スウェーデン)、林昀儒(チャイニーズタイペイ)ら強豪を連破して決勝へ進出。王楚欽に敗れたものの最終ゲームまでもつれる接戦を展開した。世界ランキングも8位まで上げており、今、世界で最も勢いのある選手と言っても過言ではない。
両親も元実業団選手で、母方の大伯父は1969年世界選手権シングルス3位の田阪登紀夫、曽祖父の田阪常雄は元日本代表監督という卓球一家に生まれた松島。祖父母と両親がコーチを務める田阪卓研で腕を磨き、小学生時代は全日本ホープス(小学6年以下)・カブ(同4年以下)・バンビ(同2年以下)で張本智和以来となる6連覇を達成。高校2年以下の選手で争われる全日本ジュニアでは、男子史上最年少となる小学6年で決勝進出を果たすなど、幼少期から将来を嘱望されてきた。
中学1年でTリーグ・木下マイスター東京に加入すると、当時男子史上最年少となる13歳9カ月でデビューを果たし、3試合目には初勝利。高校2年で初めて全日本シングルスを制し、今年1月の全日本ではさらに成長したプレーを見せて2連覇を達成。国際大会でも結果を積み重ね、昨年11月に初めて世界ランキングTOP10入りと、順調に世界トップへと歩みを進めてきた。