絶対女王の優勝スピーチと重なる「1970年の自作ヤーデージブック」の記憶… 樋口久子さんのシェブロン選手権最終日レビュー

塩畑大輔

メジャー通算3勝目を挙げたネリー・コルダ 【Photo by Icon Sportswire/Getty Images】

 海外女子メジャー今季初戦のシェブロン選手権は日本時間27日朝に閉幕し、世界ランク2位のネリー・コルダが大会2勝目、メジャー通算3勝目を挙げた。

 1977年に全米女子プロ選手権で男女を通じて日本勢初の海外メジャー制覇を達成し、今大会ではU-NEXTのライブ配信で解説を務めた樋口久子さんが、大会を総括する。

「短いパットを外しても」優勝スピーチに込められたものとは

 これぞメジャー、という素晴らしいコースでした。スコアをまとめるのに苦労した選手は多かったんじゃないでしょうか。こういったセッティングで大会を開催すると、ショットが正確な選手、パッティングのうまい選手が上位に残ってくる。それがまさに、ネリー・コルダだったんだと思います。

 彼女は特にセカンドショットが良かったです。グリーンを外す回数が少なくて、バーディーチャンスを多くつくっていた。それがこの好スコアにつながったのだと思います。

 優勝決定直後のフラッシュインタビュー、そして表彰式でのスピーチでも「ショートパットを外しても、メジャーで勝てるというのを、この大会をみている子どもたちにも知ってほしい」と繰り返していました。

 確かに今日も、昨日もショートパットを外す場面がありました。でも「それでも勝てる」と誇っているわけではなく、コースマネジメントの大事さを語っているのかなと感じました。

 ここのコースは周囲と比べて台座のように高くなっている「砲台グリーン」が多い。ピンが端に設定されると、ショットが少しでもショートサイドに外れると、ボールは傾斜を転がって大きく外れてしまう。

砲台グリーン上でラインを読むネリー・コルダとキャディ 【Photo by Sarah Stier/Getty Images】

 それに苦しむ選手がとても多かったわけですが、彼女は常にグリーンの真ん中を狙って攻めていました。そうやってリスクを避けながら、チャンスについたときにはバーディーパットを入れている。そして、短いクラブでセカンドショットを打てる時には、ピンを狙っていく。

 そういった攻め方のメリハリはあったと思います。こういう砲台グリーンの難コースを攻略するためのゲームプランがしっかりしていたので、多少ショートパットが外れても揺るがなかった。

 加えて、ゴルフには精神的な要素も関わってきます。今週はずっと、姉でプロゴルファーのジェシカさんと息子さんをはじめとした家族、親戚がそばにいました。

 何よりの支えでしょうし、一緒に過ごす時間の中で、おそらく気分転換もできていたことでしょう。

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著者プロフィール

1977年4月2日茨城県笠間市生まれ。2002年に新卒で日刊スポーツ新聞社に入社。サッカーの浦和レッズや日本代表、男子ゴルフ、埼玉西武ライオンズなどの担当記者を務める。2017年にLINE NEWSに移籍し、トップページの編成やオリジナルコンテンツ企画を担当。note、グノシーをへて、2024年7月からU-NEXTに所属。

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