新方式の世界卓球・団体戦 日本男子のメダル奪還シナリオ、女子の切り札と勝機は

月刊『卓球王国』

前回の2024年大会では日本女子が準優勝 【写真は共同】

世界選手権初出場で4種目を制覇。黄金時代を築いた日本

 4月28日に開幕する世界卓球選手権団体戦。今大会は第1回大会開催から100周年を記念し、卓球の母国であり、世界選手権スタートの地となったイングランド・ロンドンを舞台に試合が行われる。

 1926年に実施された第1回大会は、イングランド、ハンガリー、オーストリア、ウェールズ、チェコスロバキア、ドイツの6協会による「ヨーロッパ選手権」として開催される予定だった。しかし、イングランド在住のインド人選手からの「イングランドではなくインド代表として出場したい」という要望を受け、インド代表としての参加を認めたことにより「世界選手権」としての開催となった。ちなみにサッカーワールドカップが初開催されたのは1930年。世界選手権初開催の4年後だった。

 こうして、当初参加予定だった6協会にインド、さらにデンマークとスウェーデンを加えた9協会で第1回大会を開催。この9協会が国際卓球連盟の創立協会となったが、初代会長のアイヴァー・モンタギューは当初から「国家ではなく、一定の地域を統括している協会であれば、世界選手権参加の資格を認める」「いかなる肌色・人種・宗教の人間も差別しない」「世界選手権に参加するのは“プレーヤー”であり、プロ・アマは問わない」という「オープンドア・ポリシー」を掲げていた。そうした創立当初からの方針のもと、加盟協会数は増加し続け、国際卓球連盟に加盟する国と地域の協会数は2021年の時点で227。これは国際競技連盟の中でも最多であり、卓球が世界中でプレーされ、親しまれているスポーツであることを物語っている。

 日本が初めて世界選手権に参戦したのは1951年大会。この大会でいきなり4種目を制した日本は、以降も多くの金メダルを獲得し、黄金時代を築く。1970年代以降は低迷した時期もあったが、2000年代から再び世界選手権でコンスタントにメダルを獲得。しかし、団体戦での優勝は男子が1969年大会、女子が1971年大会が最後となっており、今大会で覇権奪還を目指す。

100周年記念大会は序盤から競合激突の未知の試合方式で開催

日本は男女ともステージ1Aに組み込まれている 【スポーツナビ】

 世界選手権の団体戦は各試合とも3人の選手が出場し、最大5シングルスで先に3勝を挙げたチームが勝利となる「スウェイスリング方式」と呼ばれるオーダー方式で勝敗を決定。1・2番に出場した選手は最大2試合出場することとなり、3番を終えて決着がつかなかった場合、4・5番のいずれかに再び登場する。

 今大会は100周年記念大会ということで、出場チーム数も通常の40チームから拡大され、64チームによって優勝が争われる。試合方式も例年とは異なり、ステージ1ではAとB、2つのカテゴリーに分かれてリーグ戦を実施。5月2日から試合が行われるステージ1Aには世界ランキング上位7チームと開催地のイングランドが出場。この8チームはリーグ戦の結果に関わらずステージ2(決勝トーナメント)進出が決まっており、トーナメントでのシード順をかけて2つのリーグに分かれて試合を行う。日本は男女ともステージ1Aに組み込まれている。

 4月28日から試合がスタートするステージ1Bは、ステージ1A出場チーム以外の56チームによる、ステージ2進出をかけたリーグ戦。4チームずつの14リーグに分かれて試合を行い、各リーグで1位となった14チームはステージ2へ進出し、各リーグの2位の中から総合成績とトーナメントでステージ2へ進む残りの10チームを決める。32チームによって争われるステージ2は負けたら終わりのトーナメントとなる。

 ステージ2でのシード順を世界チームランキングではなく、ステージ1Aでの対戦結果で決める今回の試合方式は否定的な声も多い。ランキング上位チームがぶつかるステージ1Aでは、序盤から強豪同士の好カードが期待できる一方、「選手の負担が増える」「若手に経験を積ませる機会が減る」などとして、ドイツ卓球連盟は国際卓球連盟へ批判の書簡を送っている。未知の試合方式の中で、各チームどのように選手を起用していくのかにも注目したい。

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