週刊MLBレポート2026(毎週木曜日更新)

村上宗隆が証明するシュワバーに匹敵のメジャー級パワー さらにMLB投手が恐れる和製大砲の類まれな能力とは?

丹羽政善

4月21日(※日時はすべて現地時間)、メジャー初の4戦連発となる9号ソロを放ちリーグ2位のジャッジに並んだ村上 【Photo by Christian Petersen/Getty Images】

開幕1カ月で浮き彫りになった長所と短所

 18日のアスレチックス戦。村上宗隆(ホワイトソックス)は七回に点差を2点に広げるソロ本塁打を放ったが、それよりもおそらくチームに評価されたのは、同点の九回1死走者なしから選んだ四球ではなかったか。

 残念ながら、得点にも勝ちにもつながることはなかったが、1ボールから2球続けて低めの球をストライクとコールされたあと、いずれもチャレンジに成功。あの場面で求められた出塁という役割を果たすと同時に、四球率でメジャートップ2%(※成績はすべて20日現在)という選球眼の良さを証明した。

 確かに打率は.208に低迷する。しかし、バレル%(26.2)はメジャー上位1%。ハードヒット%(61.9、打球初速95マイル以上)と平均打球初速(95.1マイル)はいずれも上位2%。打球の角度、初速から導き出される打球の質に加え、四球なども加味された打撃の総合指標xwOBA(.411)は上位5%。そうしたデータから「まるで、カイル・シュワバーのよう」という指摘もある。

 パワーにももはや、疑問符は消えた。17日の試合では、センターバックスクリーンを越える超特大の満塁弾を放ち、その飛距離が431フィートだと判明すると、直後から「もっと飛んでいたんじゃないのか?」という声がSNSなどで溢れ、翌日、トム・タンゴというBaseball Savantのデータを統括するアナリストが、バックスクリーンの壁の高さ、打球角度などから飛距離を導いた具体的な算出方法をSNSで解説する事態となっている。

 ただ、デビュー1カ月の足跡を詳細に辿っていくと――もちろん、十分なサンプル数とは言えず、シーズンが終わったときも同じような傾向だとは限らないが、なぜ空振り率がワースト1%なのか、三振率がワースト7%なのかという、先ほど紹介したデータとは異なる姿が見えてきて、“高低”に注目すると、村上の長所、短所が浮き彫りとなる。

 まず、メジャーに移籍する前、村上は速い球に弱いのでは? という評価だった。そこを検証しておく必要があるが、確かに95マイル以上の球に対する打率だけで見ると、13打数2安打(.154)と低いものの、先ほど紹介したxwOBAは.486。.370を超えれば優秀なので、苦手とは言い切れない。平均打球初速も98.9マイルで、前に飛んだ全8本の打球すべてがハードヒットの基準である95マイルを超えていた。空振り率も32.1%(彼の平均は40.6%)なら、決して悪いわけではない。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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