村上宗隆が証明するシュワバーに匹敵のメジャー級パワー さらにMLB投手が恐れる和製大砲の類まれな能力とは?
開幕1カ月で浮き彫りになった長所と短所
残念ながら、得点にも勝ちにもつながることはなかったが、1ボールから2球続けて低めの球をストライクとコールされたあと、いずれもチャレンジに成功。あの場面で求められた出塁という役割を果たすと同時に、四球率でメジャートップ2%(※成績はすべて20日現在)という選球眼の良さを証明した。
確かに打率は.208に低迷する。しかし、バレル%(26.2)はメジャー上位1%。ハードヒット%(61.9、打球初速95マイル以上)と平均打球初速(95.1マイル)はいずれも上位2%。打球の角度、初速から導き出される打球の質に加え、四球なども加味された打撃の総合指標xwOBA(.411)は上位5%。そうしたデータから「まるで、カイル・シュワバーのよう」という指摘もある。
パワーにももはや、疑問符は消えた。17日の試合では、センターバックスクリーンを越える超特大の満塁弾を放ち、その飛距離が431フィートだと判明すると、直後から「もっと飛んでいたんじゃないのか?」という声がSNSなどで溢れ、翌日、トム・タンゴというBaseball Savantのデータを統括するアナリストが、バックスクリーンの壁の高さ、打球角度などから飛距離を導いた具体的な算出方法をSNSで解説する事態となっている。
ただ、デビュー1カ月の足跡を詳細に辿っていくと――もちろん、十分なサンプル数とは言えず、シーズンが終わったときも同じような傾向だとは限らないが、なぜ空振り率がワースト1%なのか、三振率がワースト7%なのかという、先ほど紹介したデータとは異なる姿が見えてきて、“高低”に注目すると、村上の長所、短所が浮き彫りとなる。
まず、メジャーに移籍する前、村上は速い球に弱いのでは? という評価だった。そこを検証しておく必要があるが、確かに95マイル以上の球に対する打率だけで見ると、13打数2安打(.154)と低いものの、先ほど紹介したxwOBAは.486。.370を超えれば優秀なので、苦手とは言い切れない。平均打球初速も98.9マイルで、前に飛んだ全8本の打球すべてがハードヒットの基準である95マイルを超えていた。空振り率も32.1%(彼の平均は40.6%)なら、決して悪いわけではない。