「おしゃべりカーリング」で「腕試し」 カーリングミックスダブルス世界選手権がスイスで開幕

竹田聡一郎

小穴桃里、1995年山梨県甲府市出身。青木豪、1999年北海道江別市出身 【(C)JCA/H.IDE】

 スイス・ジュネーブにて世界ミックスダブルスカーリング選手権大会が4月25日から開幕する。

 日本代表として出場するのは、3月に青森での日本選手権で初優勝した小穴桃里(小穴鋳造所)と青木豪(新東工業)のペアだ。

 日本選手権では昨年王者の松村千秋(中部電力)と谷田康真(北海道クボタ)のペアに2次予選で一度、敗れたが決勝で撃ち合いを制して初の栄冠に輝いた。

届かなかった五輪出場と試合観戦から見えてきたもの

 この世界選手権は日本代表として挑んだ12月の五輪最終予選(カナダ・ケロウナ)では敗れて以来の、今季2度目の世界挑戦となる。ミラノ・コルティナ五輪の道が途切れてしまった後、青木は「悔しいという言葉しか出てこない」と率直に語り、「準備はしてきたが、まだ足りないのかということが分かった」と国際経験の不足を挙げたが、その経験を埋めるには世界選手権は絶好の機会だ。

 小穴は届かなかった五輪を現地観戦した。

「ひとつひとつのショットが特別なことをやってるとか、そういうわけではないんですけど、やはりああいった大きな舞台で当たり前のことを当たり前にできるチームが勝っていくと感じました」

 シンプルなプレーの精度をより突きつけられた。さらに「次の4年どういうふうに過ごすかっていうところを考えながら見ていた」とも語ってくれた。

「高い波を求めて自分から乗り込みに行くぐらいの意気込みがないとオリンピックっていうところは見えてこない。挑んでいきたいと思います」

 帰国後、小穴は青森の日本選手権を挟んで女子日本代表のロコ・ソラーレに合流。女子世界選手権(カナダ・カルガリー)を戦い、さらに今季新たに発足したプロリーグ「ロック・リーグ」にも参加(カナダ・トロント)するなど多岐にわたる活動で存在感を高めている。

 一方の青木も2月には4人制で母校である札幌国際大学チームに加わり北海道選手権で優勝。6月に横浜BUNTAIで開催される日本選手権出場を決めた。小穴がカナダで研鑽を積む間は、地元札幌でのオープン大会「SMG杯」に安井涼音(札幌国際大学カーリングクラブ)と組み優勝するなど継続してアイスに立っていた。

 そんな2選手は約40日ぶりにスイス・バーデンで合流した。時差調整を兼ねて当地のボンスピルに参加し、準々決勝に進むなどまずまずの仕上がりで現地ジュネーブに向かった。

 小穴は初の世界選手権をやはり「腕試し」と位置付け、青木はチームカラーである豊富なコミュニケーションをとり続ける「おしゃべりカーリング」を貫くと抱負を口にした。

 現地時間25日10時開始の初戦は、昨大会4位のエストニアとの対戦だ。続く2戦目は同19時から銅メダルのオーストラリアと。タフな相手が並ぶが「腕試し」にはもってこいの舞台とも言える。

 参加20カ国を2つのブロックに分けた予選は9試合。各ブロック上位3チームの6チームがクオリファイ(プレーオフ進出)する。日本は2023年の松村・谷田ペア以来、クオリファイができていない。まずは3年ぶりの予選突破が望まれるところだ。

 五輪正式種目に採用されたミックスダブルス。2018年平昌、2022年北京、2026年ミラノ・コルティナと日本は出場できていない。フランスアルプス五輪に向け、小穴・青木ペア自身としても日本代表としても、重要な試金石となるだろう。
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著者プロフィール

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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