中田璃士「『こうなりたい』と思ってもらえる存在に」 次代エースとしての意識も【単独インタビュー後編】

沢田聡子

新シーズンのショートはシェイ=リーン・ボーン氏振付の新作、フリーは『グラディエーター』を継続する 【Photo by Joosep Martinson - International Skating Union via Getty Images】

 2026年3月、ジュニアラストシーズンを世界ジュニア選手権連覇という最高の形で終えた中田璃士は、2026-27シーズンのシニアデビューを見据える。4回転ジャンプの種類を意欲的に増やす一方で、スケーティングも磨く。新シーズンのプログラム、日本男子のエース候補としての心構えについても聞いた。(取材日:2026年4月9日)

往年の名選手からも学ぶ

――新シーズンのプログラムについてお聞きします。ショートプログラムはシェイ=リーン・ボーンさんに振り付けをお願いしたそうですが、どんな曲でしょうか?

 たとえを出すと、宇野昌磨選手の『Great Spirit』と似た感じのビートの曲です。シェイ=リーンさんから候補として出された曲を滑ってみて、決めました。すごくノリノリで、多分誰も使っていない、聞いたこともない曲かなと思います。

 振付の作業はシェイ=リーンさんに来てもらって、(自身が拠点としている)船橋のリンクでやりました。候補の曲は、30曲ぐらいあったんですよ。基本的に全ジャンルの曲があって、その中からちょっとずつ絞っていきました。今までにプログラムで滑った曲とは、ちょっと違うと思います。

――フリーは、昨季の『グラディエーター』を継続されるということですね。

 はい、振付師のミーシャ・ジーさんとアレンジする作業を、6月の初めに韓国に行ってやるつもりです。大きくは変わらないとは思いますけど、曲の使う部分は少し変わると思います。

 自分はもうちょっと(アレクセイ・)ヤグディンっぽくしたいので、ストレートステップもちょっと取り入れていこうかなと思います。昔もすごくいい選手がたくさんいたので、それを思い出させるようなプログラムにできたらいいなと。

――昔の選手の演技動画をよく見るのですか?

 僕は見ますね。(エフゲニー・)プルシェンコ選手も見ますし、ヤグディン選手の『Winter』のステップが好きなので、よく見ています。

コンパルソリーの練習で磨くスケーティング

――5月に出演されるアイスショー『THE MELT』では、源義経を演じるそうですね。2017年にはキッズスケーターとして『氷艶 hyoen2017「破沙羅」』に出ていらっしゃいますが、その時の経験は役に立っていますか?

 あの時はたくさんのお客さんがいる前で演技をしたので、そういう経験はすごく生かせていると思います。今回はキッズスケーターとしてではなく、ちゃんと1人のソロスケーターとして出るので、初めてで緊張しますけど、頑張ります。振付の(宮本)賢二先生と、楽しくプログラムを作りました。

――着物風の衣装を着ることになるのでしょうか?

 どういう衣装なんでしょうね(笑)。でも着物を着たことがないので、もしそうなったら楽しみです。

――シニアに上がるにあたって、演技構成点を上げるために強化している部分はありますか?

 小塚崇彦先生と一緒に、基礎のスケーティングの練習をしています。船橋のリンクに週1回来てくださって、教えてくれています。最初は大きくスケーティングすることから入ったのですが、練習をしていくにつれて、今はコンパルソリー(氷上に図形を描き、その精度を競う種目。現在は廃止されているが、エッジワークを磨く基礎練習として取り組む)のレッスンになっています。

――今までコンパルソリーを練習したことはありましたか?

 腰を疲労骨折している時に、船橋のリンクの先生に教わっていました。やっぱり、難しいですね。でも昔はジャンプが大好きだったのですが、今はスケーティングも楽しいので、コンパルソリーもやっていて楽しいです。

 スケーティングを練習した上で、しっかりジャンプを決めたら、下の点(演技構成点)は出てくるので。やっぱりグランプリシリーズの1試合目でどれだけ結果を残せるかということが、今後につながると思います。

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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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