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大谷翔平の次回登板は二刀流として復帰するのか? 5年ぶり「投手専念」に透けるロバーツ監督の深謀遠慮

丹羽政善

3回に三振を奪い、リアクションを見せる大谷翔平 【Photo by Luke Hales/Getty Images】

「出力全開」と「脱力」の境界線

 3回2死二塁、大谷翔平は粘るフランシスコ・リンドアと互いに譲らぬ真っ向勝負。最後――フルカウントからの11球目は、99.6マイルの4シーム。リンドアが空振りをすると、マウンドを降りる大谷と、ベンチに下がるリンドアがアイコンタクト。互いに笑みが漏れた。

 5回、1点を返され、なおも1死二、三塁のピンチ。ここではトミー・ファムを100.3マイルの真っ直ぐで空振り三振に仕留め、続くリンドアを100.4マイルの真っ直ぐで押し込み、左飛に打ち取っている。この回の最後の4球は、いずれも100マイル越えだった。

 あの場面を振り返って大谷は、「シーズンを投げる中で、ずっと全力で100球投げるわけにはいかないので、ある程度スコアを見ながら投げないといけない」と言いつつ、こう続けた。

「あそこは二、三塁、1本で逆転されるところなので、全力で抑える場面」

 実はこのコメントでむしろ重要なのは、前半部分。言葉の中に今季の大谷が目指すスタイルが凝縮されていた。端的に言えば、力の入れどころ、抜きどころーーその体現がこそが今年のテーマ。

 3月31日の今季初先発でも、実はそんな脱力を意識したピッチングを披露し、試合後にこんな話をしている。

「そこまでムキになって投げすぎることなく、力を抜きながら効率よく投げれば十分にイニングは稼げる」

「軽く投げている感覚でも、強く投げている感覚でも今日はそこまで変わっていなかった。体の負担も含めて軽く投げている方がいい」

 ところが、今季2戦目のブルージェイズ戦では、初回からピンチを招き、序盤から出力を上げるしかなかった。本人も「出来はよくなかった」と認めるしかなかった。

 結果としては悪くない。6回を4安打、1失点(自責点0)。ただ、あのピッチングが続けば、ワールドシリーズまで持たない。また、故障のリスクも高まる。それは本人が一番、理解している。

 さて、どうなるのか――という中で迎えた3戦目は、見事に軌道修正をした。

 6回を2安打、1失点、10三振。

「1点取られた後は、力を入れましたけど、全体的にはリラックスして投げられたので、そこは前回からの進歩かなと」

 もう少し三振が少なければ、球数も抑えられ、7回も続投できたのではないか。本人もこう口にした。

「今日は三振が多い分、もう1イニング投げきれなかった」

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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