次代を担うルーキーたちの現在地と未来

大学野球に飛び込んだ未来のドラ1候補12選 世代のトップランナー、甲子園優勝投手、魅惑の長距離砲…

西尾典文

京都国際で2年夏に甲子園優勝投手となった西村は中大へ。東都大学・春季リーグ第1週に神宮のマウンドに立ち、上々のデビューを飾った 【YOJI-GEN】

 近年、プロ野球のドラフト戦線で主役になっているのが大学生だ。昨秋ドラフトでは、ソフトバンクが交渉権を獲得したスタンフォード大の佐々木麟太郎を含めれば、2巡目までに指名された24人のうち20人が大学生だった。これは大学野球全体のレベルが上がってきていることに加えて、大学に進む有望な高校生が増えているからでもあるだろう。今春も多くの才能溢れる高校生が大学野球に身を投じた。そのなかでも特に将来が楽しみで、3年後にはドラフト1位指名の可能性もある逸材を識者に挙げてもらった。

西村一毅(京都国際→中央大/投手)

 実績は世代屈指のサウスポー。2年夏に出場した甲子園では先発、リリーフにとフル回転の活躍でチームの初優勝に大きく貢献した。3年夏もエースとして甲子園に出場。連覇は逃したものの、初戦で健大高崎を相手に完投勝利を収めるなど実力を発揮し、大会後に行われたU-18W杯でもリリーフとして3試合、6回1/3を投げて自責点0、9奪三振と国際舞台でも結果を残した。

 ストレートは140キロ台前半が多いが、独特のブレーキのあるチェンジアップでうまく緩急をつける投球が光る。中央大でも4月8日の国学院大戦でいきなり先発起用され、3回1/3を投げて無失点と好投を見せた。

新井瑛太(滝川→青山学院大/投手兼外野手)

滝川では甲子園出場はならなかったが、投打ともプロから注目されていた。東都7連覇を目指す青学大で、開幕から継続して1番で起用されている 【YOJI-GEN】

 二刀流で大成する可能性を秘めた逸材。中学時代は外野手で、高校で投手を始めたにもかかわらず3年時には150キロを超えるなど驚きの成長を遂げた。野手としても高いミート力と長打力を兼ね備え、俊足と強肩も魅力だ。U-18侍ジャパン候補にも選ばれ、昨年4月の強化合宿では投打で強烈にアピールした。

 青学大ではまず外野手としてデビュー。1番に抜擢された春季リーグ開幕戦でいきなり3安打を放ってチームの勝利に貢献した。ピッチングを高く評価する声も多く、東都一部では近年例のない投手、野手両方での活躍に期待したい。

山田玲(浜田→青山学院大/投手)

 高校時代、中国地区ではナンバーワンの呼び声が高かった本格派右腕。昨年夏の島根大会では初登板となった3回戦の大社戦で延長10回の末に2-3で敗れたが、自責点0、13奪三振と見事な投球を見せた。バランスよく下半身主導で投げられるフォームは欠点らしい欠点がなく、前で大きく振れる腕の振りも素晴らしい。変化球でもしっかり腕が振れ、高い制球力も備えている。

 青学大では4月8日の亜細亜大戦でリーグ戦デビューを果たすと、いきなり最速150キロをマークし、1回を無失点と好投した。プロ入りを希望すれば昨秋ドラフトで指名されていた可能性が高く、3年後の目玉候補となりそうだ。

菊地斗夢(旭川北→法政大/投手)

 全国から有望株が集まる東京六大学だが、今年の1年生投手で最もスケールの大きさを感じさせるのがこの右腕だ。北北海道でも上位の進学校でプレーしていたこともあって大きな大会での実績はないが、昨年春の旭川支部予選で強豪の旭川志峯を相手に12奪三振、2失点で完投勝利。夏の支部予選の初戦には11球団、30人近いスカウトが集結した。

 まだ細身だが全身を使った豪快な腕の振りは魅力十分で、法大では春のオープン戦で150キロを超えるスピードをマークしている。本格化には少し時間がかかりそうだが、先発として大きく育ててもらいたい大器だ。

阿部葉太(横浜→早稲田大/外野手)

いわば世代のトップランナーとして昨年の高校球界を牽引した外野手は、早大での4年間でどんな選手に成長するのか 【写真は共同】

 世代を代表する強打の外野手。名門・横浜で入学直後からセンターのレギュラーをつかむと、3年春に出場した甲子園では5試合で10安打、1本塁打、10打点、4盗塁の大活躍でチームの優勝に大きく貢献した。昨年夏に行われたU-18W杯では日本代表の主将を務めている。

 逞しい体格は大学生のなかでも全く見劣りせず、豪快なスイングで広角に鋭く打ち返す打撃が持ち味。センターの守備範囲の広さと球際の強さも一級品だ。早大では春のキャンプで脚の肉離れに見舞われ出遅れていたが、すでに実戦復帰。小宮山悟監督は1番での起用を明言しており、リードオフマンとして期待は大きい。

中村龍之介(東海大相模→東海大/外野手)

東海大相模では下級生時から主力で、2年夏に甲子園でも活躍。東海大でもスタメン起用されており、4月12日の武蔵大戦では3安打を放った 【写真は共同】

 昨年の高校球界では、横浜の阿部葉太と並んで注目を集めていた外野手。東海大相模では入学直後から外野の一角に定着すると、1年秋からは不動の中軸となり、2年夏に出場した甲子園でも3回戦の広陵戦で4安打を放つなど見事な活躍を見せた。

 最大の魅力は巧みなバットコントロールで、どのコースのボールも鋭く振り出してしっかり芯で捉えることができる。年々体が大きくなってパワーアップしており、昨年夏の神奈川大会決勝の横浜戦では今年のドラフト1位候補である織田翔希から一発を放った。東海大でもオープン戦から3番を任されており、社会人を相手にもホームランを打つなど高い打撃技術を見せている。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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