三笘を取り囲んだイングランド撃破の余韻 北ロンドン・名門2チームの憂鬱
4月19日の直接対決で名勝負が生まれることを期待
確かに火曜日の夜にポルトガルで欧州CL準々決勝の第1レグを戦った後、土曜日の12時半という早い時間帯のキックオフはきつい。それに相手のボーンマスは油断ならないチームだ。今季、アーセナル戦の前の時点でプレミアリーグ最多の15の引き分けを記録しており、しかも負けの数はアーセナルの3、マンチェスター・シティの5、マンチェスター・ユナイテッドの6に続いて少ない7。ボーンマスは本当にしぶとく、なかなか負けない。
ちなみにパリ・サンジェルマンは、リバプールとの欧州CL2試合に挟まれた同週末に試合がなかった。フランスのリーグは昨季王者の連覇に協力する姿勢だが、アーセナルの場合はその真逆と言っていい仕打ちをプレミアリーグから受けていた。
とはいえ、アーセナルのホームゲームである。こういう試合をきっちりと勝たなければ優勝するのは難しい。
欧州CLの準々決勝第1レグは1-0で勝利を収めたが、その3日前のFA杯準々決勝で格下のサウサンプトンに1-2負けを喫したのに続いて、ボーンマス戦も同じスコアで落とした。どうも最近のアーセナルは国内ですっきりしない。どんよりとした暗雲に包まれている感じである。
一方、追うマンチェスター・Cはチェルシーとのアウェー戦で3-0の快勝を飾った。この結果、アーセナルより消化試合が1つ少ない状況でその差を6ポイントにまで縮めた。しかも前節まで7点あった得失点差も一気に3点まで縮まった。
英語で「smell blood」という表現がある。直訳すると「匂いを嗅ぎつける」となるが、これは「戦闘開始」という意味合いがある。
まさにマンチェスター・Cにとっては、チェルシー戦の勝利で血の匂いを嗅ぎつけ、大差をつけられていたはずのアーセナルの背中が見えて“よし逆転優勝だ!”という機運が高まった。これで4月19日にエティハド・スタジアムで行われる直接対決が、本当に今季の雌雄を決するビッグマッチとなった。
かつてペップ・グアルディオラの右腕だったミケル・アルテタが、マンチェスターでどんな試合を見せるのか。プレミアリーグ、そして欧州でも超強豪と言える2チームが繰り広げる真剣勝負。文字通りの天王山となって信じがたいような名勝負が生まれることを期待する。
先月ウェンブリーで行われたリーグ杯決勝では、ペップシティが2-0の勝利で笑った。ニュートラルのスタジアムでこの結果だ。しかもマンチェスター・Cはここにきて絶好調である。
一方のアルテタは今週もウイークデーにスポルティングCPと戦い、しっかりと1週間準備できるマンチェスター・Cとの決戦に挑まなければならない。
と綴りつつ、この連載でアーセナルの危機を記すと、なぜかその週末にこのロンドンの名門が快勝することが続いている気がする。ここまできてトロフィーを手放すことはできないと監督と選手が一丸となって奮起し、そのジンクスがここでも当たれば、今度こそアーセナルが伝説的無敗優勝を果たした2003-04シーズン以来となる悲願のリーグ制覇を確実にするだろう。
ついに降格圏へ…未曽有の危機に瀕するトットナム
確かに昨季も17位とリーグで低迷してアンジェ・ポステコグルー監督が解任されたが、その一方でヨーロッパリーグを制して、今季の欧州CLでもベスト16に進出している。
ところがリーグ戦は勝ちに見放されている。現在の16敗は、順位が1つ上の17位ウェストハムと並ぶワースト3位。残り6試合での挽回のチャンスは十分あるが、新たに就任したイタリア人闘将が「精神的な問題」と語ったのは大きな不安材料だと思う。
監督がコロコロ代われば、戦術、戦略もガラッと変わり、選手が情緒不安定になる。結果を残せずに監督がその座を追われれば、選手は自信喪失する。そんなチームにどうやって勝者のメンタリティを植えつけるのか。スパーズのこの凋落は本当に心配だ。
プレミアリーグのビッグ6の1つに数えられた名門トットナムは、ケインに続いてソン・フンミンも去った今季、未曾有の危機に瀕している。
(企画・編集/YOJI-GEN)
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