連覇マキロイから見える「マインドセット」の重要性とは 佐藤信人のマスターズ最終日レビュー

塩畑大輔

マキロイによる連覇で幕を閉じたマスターズ 【Photo by David Cannon / Getty Images】

今年最初の海外メジャー大会、マスターズ・トーナメントはロリー・マキロイによる連覇で幕を閉じた。世界ランク上位の実力者がひしめく激戦で、彼を勝たせたものとはなんだったのか。佐藤信人プロが読み解く。
 大会連覇を果たしたマキロイですが、去年の優勝で得た経験がモノを言ったように感じました。

 全体的には「マキロイらしさ」満載ではあったと思います。

 2日目終了時点で6打のリードをつくりながら、それを3日目ですべてはき出して、さらに最終ラウンドの中盤では2打のビハインドまで後退した。

マキロイは4番パー3でティーショットを放つ。このホールでまさかのダブルボギー 【Photo by Chris Condon/Augusta National/Getty Images】

 ただ、そういう波のある展開の中でも、本人がとても落ち着いているように、私には見えました。

 そして、去年のプレーオフの際のエピソードが想起されました。

 マキロイは去年、最終日の最終ホールでボギーを打って、逆にバーディーを挙げてきたジャスティン・ローズとのプレーオフに持ち込まれた。

 流れ的にもメンタル的にも、マキロイのほうが不利な状況とみられましたが、そこでキャディのハリー・ダイアモンドがかけた言葉が、話題をさらいました。

たとえ大きく後退しても…昨年の「至言」今年もプラスに?

 大会が始まる前に「今週は優勝を懸けたプレーオフに進出できるけど、どう?」って聞かれたら、むしろうれしいよねーー。

 そんな言葉です。マキロイが平静を取り戻し、プレーオフに勝てたひとつの要因とされていました。

 たしか本人も会見で、その一言が大きかったと語っています。

今回もその言葉をあてはめることができたのかなと。

 6打リードが帳消しになって、首位と2打差まで後退したとて。

 この大会が始まる前に「サンデーバックナインで首位と2打差につけていられるよ」と言われていたら、うれしかったんじゃないの?という感じで。

キャディの助言を受けながらラウンドするマキロイ 【Photo by Andrew Redington/Getty Images】

 試合の流れ的にも恵まれていた気もします。前半で大きかったのは6番パー3。

 必ずバーディーを取りたい2番パー5が取れず、直前の4番パー3で短いパットを外してダブルボギーを喫した。

 同組のキャメロン・ヤングにリードを許す展開の中で、6番でさらにボギーを重ねた。
 
 苦しい展開も予感させたのですが、直後にヤングも続くようにボギーをたたいたんですよね。

 マキロイからすると、ヤングがボギーに付き合ってくれたことで「あ、これでもまだ2打差なんだ」と思えたんじゃないかなと想像します。

大声援受ける去年のグッドルーザー、痛恨の3パット

 彼ら最終組を追い越す形で首位に立ったのが、去年プレーオフで負けたローズでした。

 10番パー4までは非常にいいゴルフ。7、8、9番と連続バーディーを取った時点で、テレビ解説の宮里優作プロも「ゾーンに入っている」と語っていましたね。

 確かにそういう感じがありましたが、ゾーンに入る感じというのはそう長く続くものではない。

 終盤に来るであろう勝負どころに対して、少し早すぎるかもとは思いました。

一時は後続を2打離す単独首位にも立っていたローズ 【Photo by Jared C. Tilton/Getty Images】

 11番パー4のボギーも、マスターズではよくあること。

 12番パー3のアプローチのミスも仕方ないかなとみていましたが、痛恨だったのは13番パー5ですね。

 ピンの根元に突き刺すようなスーパーショットから、イーグルパットが決まるどころか3パット。

 せめてバーディーを挙げられていたら、もう少しマキロイに重圧をかけることができて、試合展開も違ったんじゃないかなと思います。

1/2ページ

著者プロフィール

1977年4月2日茨城県笠間市生まれ。2002年に新卒で日刊スポーツ新聞社に入社。サッカーの浦和レッズや日本代表、男子ゴルフ、埼玉西武ライオンズなどの担当記者を務める。2017年にLINE NEWSに移籍し、トップページの編成やオリジナルコンテンツ企画を担当。note、グノシーをへて、2024年7月からU-NEXTに所属。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント