Jリーグの注目ルーキー「開幕2カ月診断」 浦和の肥田野蓮治の他に強烈なインパクトを残したのは──
王者鹿島でジョーカー的な立ち位置を確立
まずJ1で最大のインパクトを残したルーキーを挙げるとすれば、浦和レッズの肥田野蓮治(←桐蔭横浜大/FW/8試合・396分出場・3得点)で異論はないだろう。
ジェフユナイテッド千葉との開幕戦でいきなりスタメンに抜擢されると、ゴールまで記録。ここまで3得点をマークし、その実力を大きくアピールしてみせた。左足のキックに加え、チームトップクラスのスピードも魅力的。前線のポジションならどこでもこなせるだけに、今後チーム内での重要性はさらに増していくはずだ。
昨季、特別指定選手としてルヴァンカップ決勝のピッチも経験した柏レイソルの山之内佑成(←東洋大/DF/8試合・444分出場)は、ここまで左右のウイングバックに加え、3バックの右センターバックでもスタメン出場。そのポリバレントさでリカルド・ロドリゲス監督の信頼を勝ち取っている印象だ。
また、前年王者の鹿島アントラーズに加入した林晴己(←明治大/MF/8試合・176分出場)は、果敢にドリブルで仕掛けるアグレッシブな姿勢と、両サイドハーフでプレー可能という汎用性も追い風に、ジョーカー的な立ち位置を確立しつつある。
他にも開幕スタメンを飾った、抜群の活動量を誇る清水エスパルスの日髙華杜(←法政大/DF/5試合・256分出場)と、左足の高精度キックを武器に、大学卒業を待たずにプロの世界へ飛び込んだ横浜F・マリノスの関富貫太(←桐蔭横浜大/DF/3試合・244分出場)は、ともにサイドバックの位置で奮闘中。
さらに、非凡なシュートセンスを有し、初ゴールまであと一歩というシーンが続くアビスパ福岡の佐藤颯之介(←宮崎産業経営大/FW/7試合・320分出場)や、鹿島でプレーする兄・優太とは異なる攻撃センスを発揮し、スタメンでも起用されている千葉の松村拓実(拓殖大/FW/4試合・148分出場)も、着実に出場時間を伸ばしている。
2種登録ながら全試合出場中の高校3年生
昨秋のU-20ワールドカップでの活躍も印象的だった小倉幸成(←法政大/MF/7試合・485分出場)は、ファジアーノ岡山への加入を決断すると、早くもボランチの主力としてJ1にフィット。球際へシビアに行けるメンタリティーも頼もしく、第2節のサンフレッチェ広島戦では退場処分も経験したが、以降も先発で起用されているところを見ても、木山隆之監督からの信頼は相当に厚そうだ。
また、福岡の前田快(←神奈川大/MF/3試合・149分出場・1得点)は圧倒的な飛距離のロングスローというストロングを持ち、開幕戦では鮮やかなボレーでゴールも記録。そして水戸ホーリーホックの五木田季晋(←日本大/FW/5試合・159分出場)も体の強さを生かして、前線の基点創出に奔走。ここまで2試合でスタメンに指名されており、一層の飛躍が期待される。
一方、高卒・クラブユース出身のルーキーはプロの厚い壁に苦戦している選手が多い印象もあるが、昨年のうちにJ1デビューを果たしていたヴィッセル神戸の濱﨑健斗(←神戸U-18/MF/6試合・171分出場)は、ミヒャエル・スキッベ監督の評価も高く、第7節のガンバ大阪戦では得意の左足から繰り出した繊細なクロスでアシストをマーク。今季の高卒・クラブユース出身のルーキーの中では頭一つ抜けた存在だ。
他の高卒・クラブユース出身者を見渡しても、ここまでスタメン出場を経験したのは、東京ヴェルディの仲山獅恩(←東京Vユース/MF/2試合・67分出場)と川崎フロンターレの林駿佑(←川崎U-18/DF/1試合・61分出場)の2人のみ。
仲山はヴェルディ育ちらしいテクニックと得点感覚が魅力の好タレントで、林はセンターバックとボランチを兼任できる守備のスペシャリスト。どちらも将来を嘱望される素材であることは間違いない。
特筆すべきはU-18所属の2種登録選手ながら、ここまで全試合に起用されている千葉の高校3年生、姫野誠(MF/9試合・355分出場)。昨季のJ1昇格プレーオフでのゴールも記憶に新しいアタッカーは、今季も物怖じすることなく国内トップレベルのディフェンダーたちとやり合っている。この姫野のさらなる成長が、チームの躍進に影響を与えることは間違いない。