週刊ドラフトレポート2026

U18合宿で強烈アピール! WBC右腕彷彿させる大型右腕、スカウト陣をどよめかせた本格派左腕

西尾典文

U18侍ジャパン候補強化合宿でアピールした丹羽涼介(左)と 前田侑大(右) 【撮影:西尾典文】

 秋に行われるドラフト会議に向けて、年間400試合以上のアマチュア野球を観戦し、ドラフト中継番組では解説も務めるベースボールライター西尾典文さんが有望なアマチュア選手を毎週レポートします。

 今回は4月6日から3日間にわたって行われたU18侍ジャパン候補強化合宿で強烈にアピールした2人の高校生投手を紹介します。

「昨年の選抜から大きく成長!近畿を代表する大型右腕」

和歌山が生んだ将来期待の右腕・丹羽涼介。プロか美容師か迷っているという 【撮影:西尾典文】

丹羽涼介(市立和歌山 3年 投手 185cm/77kg 右投/右打)

【将来像】種市篤暉(ロッテ)
大型でバランスの良いフォームと、角度のあるストレート、ブレーキ抜群のフォークは種市とイメージが重なる
【指名オススメ球団】ヤクルト
将来先発の柱になれるスケールの大きい若手投手が欲しいチーム事情から
【現時点のドラフト評価】★★★☆☆
上位指名(2位以上)の可能性あり

 今年のU18侍ジャパン候補強化合宿は投手のレベルが例年以上に高い印象を受けたが、選抜出場を逃した選手で強いインパクトを残した一人が市立和歌山の丹羽涼介だ。地元和歌山の出身で、中学時代は紀州ボーイズでプレー。高校1年夏から先発を任されるなど早くから素材の良さは評判になっていた右腕だ。

 丹羽の名前が一気に全国に知れ渡ることとなったのが昨年の選抜高校野球である。チームは初戦で敗れたものの、優勝した横浜を相手に6回2/3を投げて被安打2、1失点の好投を見せ、ストレートの最速は147キロをマークしたのだ。昨年秋の近畿大会でも初戦で大阪桐蔭に8回を投げて5失点ながら、自責点は2と実力を発揮した。

 今回の合宿では初日から2日続けてシート打撃に登板。打者15人に対して3四球を与えたもののヒットは1本も許さず、6奪三振という見事な内容で詰めかけたスカウト陣に強烈にアピールした。プロフィールの数字を見ても分かるようにまだ上背の割に細身だが、昨年と比べて体幹がしっかりしたように見え、フォームも安定感が増した印象を受ける。

 グラブを持つ左手の使い方が上手く、体の正面が三塁側を向いたままスムーズに体重移動することができており、打者から見るとボールの出所が見づらいのも特長だ。テイクバックで少し右肩が下がる動きはあるものの、引っかかることなく肘が高く上がり、体の近くで縦に腕が振れるためボールの角度も申し分ない。ストレートはコンスタントに140キロ台中盤をマークし、体ができてくればまだまだ速くなりそうな雰囲気は十分だった(合宿での最速は筆者のスピードガンで146キロ)。

 昨年からの成長を感じたのが変化球だ。スライダーは変化の幅にバリエーションがあり、カウント球と勝負球で上手く使い分けているように見える。そして素晴らしかったのがフォークだ。ストレートと同じ軌道から打者の手元で鋭く大きく落ちるボールでしっかり低めに集まり、全国から集まった好打者たちからもことごとく空振りを奪うことができていた。この合宿で登板した全投手の中でも、最も強烈な変化球だったことは間違いないだろう。

 進路についてはプロか美容師か悩んでいるという報道もあり、取材でそのことを聞くと「まだ迷っている」という話だったが、周囲からは当然プロを目指すように後押しする声が多いという。後日その話をNPBのスカウトに伝えると「まだそんなこと言っているんですか?!」という声も聞かれ、評価が高いことは間違いない。春から夏にかけてさらに調子を上げていけば、上位指名でのプロ入りも見えてくるだろう。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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