【インタビュー】廣田彩花×櫻本絢子 ロス五輪目指すベテランの覚悟

平野貴也

櫻本(左)が岐阜Bluvic移籍を決断。廣田と同チームとなり、ペア活動を本格化する 【平野貴也】

 五輪という大舞台のラストチャンスを追うベテランペアが、本格的に始動する。4月1日、プロバドミントンチームの岐阜Bluvicが入社式を行い、ヨネックスから移籍加入の櫻本絢子が出席。あいさつを行った。今後は、廣田彩花とチームメイトとなり、元日本代表同士によるペアで、2028年ロサンゼルス五輪を目標に活動を本格化する。

 櫻本は、2025年2月に五十嵐有紗(BIPROGY)とのペア解消後、正式なパートナー不在の状況にあった。一方、廣田は、23年12月に左ひざを負傷したままパリ五輪の出場権獲得レースを終え、24年9月に福島由紀(岐阜Bluvic)とのペアを解消。25年5月に復帰した廣田が、同年9月の全日本社会人選手権に櫻本との出場を打診し、見事に優勝したのが、新ペアの始まりとなった。同12月の全日本総合選手権でも準優勝と健闘した。26年3月の全英オープンにも出場したが、将来の方針については明言していなかった。櫻本の移籍により、廣田とのペアが本格化する。

 入社式後、2人をインタビュー。移籍の理由、ともに再燃した意欲、ペアを組んで得た刺激と感触、今後の方針について話を聞いた。

櫻本、移籍の決断は「後悔なく終えたい」

岐阜Bluvicの入社式で入社証書を受け取る櫻本(左) 【平野貴也】

――櫻本選手は、長く在籍したヨネックスを離れる決断。決め手は?

櫻本 年明けから、いろいろな話し合いを重ねました。私は、12年間いたヨネックスで引退すると思っていた。チームへの思い入れや仲間への愛着が悩みの種だったけど、残り少ないと思う自分のバドミントン人生を後悔なく終えたいというのを最優先したときに、廣田さんと同じチームで覚悟を持って戦ってみたいと思いました。1年、1年、楽しむことをテーマにして、世界で活躍していきたい。自分にとって、五輪は特別。その夢を追いかけて頑張ってきた。最終的には、つながればという気持ちは常にあります。

――廣田選手は、どう受け止めていますか

廣田 移籍をしてくるのは、本当に簡単なことじゃない。覚悟を持って来てくれたので、私ももう1回頑張ろうという気持ちになれていますし、2人で楽しみながらやっていけたらと思っています。

――どのタイミングから、ペアの継続的な活動を思い描いていましたか

廣田 最初は、大会限定のペアだったけど、本当に試合が楽しいという感覚がありました。組んでみて、サクの勝負強さなどを隣で感じて、この高いレベルでやりたいという気持ちにさせてもらえました。このレベルでやっていたなと思い出させてもらえたことは感謝しています。ペアを継続できればいいなと、ずっと思っていましたが(25年末の)全日本総合が終わったくらいから、もっと組んでやっていきたい気持ちになりました。こういう(移籍の)形になるとは思っていなかったけど、一緒のチームになれたので、また頑張っていけたらと思っています。

――櫻本選手は、五十嵐選手とのペア解消後、どうしようと思っていたのですか

櫻本 (廣田が復帰した25年)5月の日本ランキングサーキットは、後輩の関野里真と組んで出ましたが、関野のために(充実した結果と内容を)という思いしかなく、終わってから考えようと思っていました。スタッフからは、若い選手と組んで経験を積ませて育ててほしいと言ってもらっていたけど、それで誰かがパートナー不在になることもあるし、自分がやりたい試合なのかというと、もどかしさもあり、気持ち的に難しかったです。これを1年続けていくのはきつい、お先真っ暗という感じで、現役を辞めることもすごく考えました。というか、そっちの方が可能性は高かったんじゃないかと思います。だから、この状況は信じられない。廣田さんから声をかけてもらえていなかったら、今、もうラケットを握っていなかったかもしれない。今は、一緒のチームで頑張っていこうという気持ちにさせてもらえたことが、すごくありがたいです。

廣田、かつてのパートナー福島と対戦の可能性に「当たったら真剣勝負」

――移籍をしてまで、ベテランがペアを組む。最大目標は、ロス五輪ですね

廣田 2人で話していく中で、サクの五輪への思いも聞いたし、私も気持ち的に熱くなれた。五輪というのを(パートナーが)私でいいのかなと思った部分もあったけど、廣田さんと組みたいとすごく言ってくれたので、思いに応える……じゃないけど、もう1回、世界に挑戦していこうという気持ちにさせてもらえた。ただ、そこ(五輪)が大きな目標ではあるけど、今できるのは、目の前のことを一つひとつやっていくことだと思っています。

――今後は国際大会で結果を残し、世界ランクを上げて、上位大会に出場することが当面の目標となります。かつての仲間やライバルと戦うことになるが?

櫻本 日本の女子ダブルスはレベルが高いし、国内でもし烈な戦いがたくさんあると思うけど、逆に、そこでしっかり同じレベルに立てたり、超えたりしていけば、世界でも上を目指せる。切磋琢磨しながら、まずは自分たちの世界ランキングを上げていきたいし、その土俵に立てるように頑張りたいです。

――廣田選手は、ケガから復帰後、福島選手と対戦できたら楽しみと言っていたが?

廣田 復帰したばかりの頃は、海外はもういいかなという気持ちだったので、もう対戦することはないだろうなと思っていたけど、今は当たる可能性もある。当たったら真剣勝負。ただ、世界での戦いから離れていたので、まずは対戦できるように、自分たちがレベルアップしないといけない。(福島と対戦したら)観てくれるファンの方は喜んでくれるかなと思うので、良い試合ができれば。でも、ちょっと複雑な気持ちはあります。

1/2ページ

著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント