投手・大谷翔平が追い求めるのは安定か、進化か 今季初二刀流試合で投じたスプリットからうかがえる兆候
スプリットの横変化量に表れる大谷の意識
おそらく、データ界隈の人たちが気にしていたのは、シンカー/スプリットをどれだけ投げるのか。どんなスプリットを投げるのか――ではなかったか。
今季初登板となった3月31日のガーディアンズ戦、シンカーに関しては4球しか投げていないので予想よりも少なかったが、スプリットに関しては、“逃げない”という強い大谷の意思が滲んでいた。
ただ、アームアングルだけでここまで変化量が変わるのか? そう考えながら昨季のある日の試合映像を見ていると、大谷のスプリットのグリップがはっきり映っているシーンがあり、中指だけが、縫い目にかかっていた。
この映像をMLBの投球分析家ピッチングニンジャ、MLB.COMのデータリサーチャー、デビッド・アドラーと共有すると、ともに「これで、アームサイドへの変化量が大きくなった説明がつく」と同意した。
ピッチングニンジャは指摘する。
「縫い目の影響を利用して、変化させている。基本的にアームサイドに曲がるシンカー、チェンジアップなどは、縫い目による影響が大きいけれど、このスプリットもそういうことが言える」
ちなみに、スプリットだけで56球も投げた2021年9月19日の試合の握りが、いまの握りと酷似している。あのときは捕手のマックス・スタッシが、「試合前、翔平から『今日はグリップを変えるから、軌道が変わるかも』と言われた」と証言している。違いについては、「アームサイドへの変化量が大きくなった」と明かしたが、その傾向は昨季の軌道とも一致する。