SVリーグ最終盤「1勝差」の大一番 埼玉上尾の選手たちは何を支えに戦ったのか?
「一つでも長く、一緒に試合ができるように」
下北沢成徳の先輩後輩で、普段から仲が良いという2人。岩澤も「退団すると決めたときに、最初に『愛さんと同じチームでプレーできなくなるんだ』と頭に浮かぶぐらい、愛さんと一緒にプレーできた時間が嬉しかった」と言い、だからこそ「最後まで勝ち続けてできるだけ長くバレーをしたい」と噛みしめる。
その言葉を受け、岩澤への思いを口にしようとした途端、黒後の目から涙が溢れた。
「率直に寂しいです。上尾に来て、実育や、成徳のメンバーがいてくれることが私の中ですごく大きい。365日のうち320日ぐらい共に過ごした仲間が、今また同じチームで、SVという場所でプレーできることは自分の中ですごく特別なこと。実育と一緒にメディックスで戦えた時間はすごく楽しかったし、この先もまた一緒にできるようにレベルアップしたい。まずは一つでも長く、一緒に試合ができるように頑張りたいです」
埼玉上尾、デンソーが「1勝差」で競う8枠目
攻撃の柱である両外国籍選手の活躍はもちろん、前日よりもミドルブロッカーの蓑輪、柳千嘉の打数と決定率が上がったことも勝利の一因ではあるが、もう一つ、チームの勝利を強く後押しした存在がいる。
前日から、アウェイゲームであるにも関わらず、会場にはホームの埼玉上尾のチームカラーである“青”だけでなく、デンソーサポーターの“赤”も目立った。優勢時も劣勢時も、変わらず声と拍手、ハリセンの音で後押しする。フルセットで敗れた試合中も、ブロックされたりミスをした直後のスパイカー陣に「どんどんトライしていいよ」と声をかけ続けた主将の川畑も、アウェイで感じる“ホーム”の応援に背中を押されていた一人だ。
「赤と青、本当に半分半分ぐらいの数が来てくださったんじゃないかと思うぐらい、たくさんのエアリービーズの応援があって、アウェイを感じさせない声に勇気づけられました」
その声援と思いに応えたい。有言実行、とも言うべき勝利で21勝目を挙げ、埼玉上尾との勝ち星の差は一つ。いよいよ来週は最終節、デンソーはAstemoリヴァーレ茨城と、埼玉上尾は岡山シーガルズと、両チーム共にホームゲームでチャンピオンシップ進出を争う。
8枠目の座を得るのはどちらのチームか。最後の最後まで目が離せない試合が続く。すべてを出し切る、総力戦がきっと福島と、埼玉で展開されるはずだ。