栗山巧 独占手記2026「ファンに伝える志」

現役は今季限りなのになぜ? 栗山巧が「ピッチクロック」導入にも備える理由

栗山巧

最後まで野球への取り組み方は変えず

 今年で最後なのに、まだ導入されていないピッチクロックのことまで気にするのか。そんなことを思われる方もいるかもしれません。

 でも、僕は今までもずっと、時代の変化、プレーの流れの変化に対応し続けてきたつもりです。それは、数年後の野球のあり方を予見して、人よりも早くアップデートをしてきたからこそ、という自負があります。

 たとえ引退をするにしても、最後まで野球への取り組み方は変えたくない。笑われるかもしれません。やり方を変えないほうが、最後の1年を悔いなく終われる可能性が高い、という見立てもあるかもしれない。

 でも、僕はやり方を変え続けます。アップデートを続ける、という取り組み方を、最後まで変えずに貫きたい。

一軍不在でも冠イベントを開催する理由

 4月11日からは、いよいよ特別企画『PR1DE SERIES』が始まります。

 僕のラストシーズンに合わせて、4月、6月、8月と全8試合で実施してくださる企画です。ですが、あくまでここはプロの世界。僕がそのタイミングで一軍にいられる保証はどこにもありません。

 一軍にいられずにその時期を迎えたら、どうふるまえばいいのか。そんなことを考えて、この類の企画提案をお断りするという判断も、なくはなかったと思います。

 でも、いずれにしても、今年で締めくくることには変わりはない。ファンの皆さんに、最後の1年を通していろいろとお伝えできる、とてもありがたい企画だという方が、僕にとっては大きい。

 それに、仮にそこに僕がいなければ、それはこれからのライオンズを支えていく今の戦力が、申し分のない活躍をしているという証拠なんだと思います。

 もちろん、僕だって負けないつもりで取り組んでいます。そうやって、企画のタイミングで一軍にいられたら、イベントとしてすごく盛り上がることになる。つまり、どちらにしてもポジティブでしかない、ということなんだと思います。



 あっ、最後にルーティンについて、もう少しだけ。矛盾するようですが、結果として今シーズンも同じルーティンをしている可能性はあります。

 でも少なくともそれは、無意識の動きではあると思います。今までやってきた「ルーティン」ではない。おそらく、状況によって動きが変わったりもするはずです。いずれにしても、今の僕の姿が、ファンの皆さんの目にはどう映るか。

 答え合わせの意味も含めて、一軍のスタジアムでご覧いただけるように、まずは二軍でしっかりと、説得力を伴う数字を積み上げていきたいと思っています。

【協力・株式会社西武ライオンズ 広報部、構成・塩畑大輔】

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著者プロフィール

1983年9月3日生まれ。兵庫県出身。背番号1。外野手。右投左打。177cm/85kg。プロ24年目。育英高から2001年ドラフト4巡目で西武に入団。2008年に自身初の規定打席に到達し最多安打(167安打)を獲得するなどチームの日本一に貢献。08年から9年連続でシーズン100安打以上を達成、12年から16年まではキャプテンを務めるなどチームの顔として活躍。稀代のヒットメーカーとして安打を積み重ね、21年に生え抜き選手では球団史上初となる通算2000安打を達成した。これまで獲得した主なタイトルは最多安打(08年)、ベストナイン(08、10、11、20年)、ゴールデン・グラブ賞(10年)。

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