栗山巧 独占手記2026「ファンに伝える志」

現役は今季限りなのになぜ? 栗山巧が「ピッチクロック」導入にも備える理由

栗山巧

25年目の開幕はファームからスタートした栗山、ファームでの取り組みは? 【写真は共同】

 埼玉西武は千葉ロッテと敵地で2026年開幕戦を迎え、1勝2敗で3連戦を終えた。しかし、今季を「締めくくりにする」と宣言した栗山巧の姿はそのZOZOマリンスタジアムになくファームに。1軍よりひと足早く開幕したファーム公式戦を戦う栗山巧の今は?

 シーズンを通じた独占手記第2回は25年目の取り組みと、4月11日から行われる自身がプロデュースする『PR1DE SERIES』について思うことをつづ
る。

本人いない球場で多く掲げられる応援タオル

 今、僕がいない1軍の球場で。たくさんの方たちが、僕の名前入りのタオルを掲げてくださっています。

 ファンの皆さんが参加を呼びかけてくださっている、と伺いました。「栗山巧タオルプロジェクト2026」というハッシュタグがあるんですよね。とてもうれしいです。本当にありがとうございます。

 このコラムを書いている段階では一軍に合流できておらず、まだ画像、映像でしか見られていないのですが、それだけでも皆さんのお気持ちが強く伝わってきました。取り組みの面でも、気持ちの面でも、もっと質を上げていきたい。皆さんがタオルを掲げてくださる様子をみながら、そんなことを思っています。

※リンク先は外部サイトの場合があります

25年目で取り組む「ルーティンの無効化」

 一軍の開幕戦に先んじて、ファームの公式戦が始まりました。続けざまに安打も出ていて、四球による出塁もできています。集大成として取り組んでいることが数字として出てきている。そう捉えることもできるかもしれません。

 もちろん、自分の「状態」をはかるのは、一軍の試合でしかできないというのはあります。

プロの打者として、考えるべきはやはり「一軍の投手を相手にコンスタントに打てるかどうか」。

 二軍で打てていても、実際に一軍の投手と対戦してみないことには、本当の自分の状態というのはわかりません。

 ただ、その段階に進むためにも、二軍での数字というのはとても大事です。それから、状態はさておき「方向性」は間違っていないということも、数字は示してくれている気がします。

 少し強気なことを言うならば、僕にも自負はあります。この準備をしていて一軍で結果が出ないわけはない、という自負が。25年のプロ生活を通して磨いてきたものと、今自分が考えてやっていること。それらが重なり合うと、どんな結果につながるのか。

 早く試してみたい。強くそう思います。



 今、取り組んでいることのひとつとして「ルーティンの無効化」があります。競技問わず、プレーに入るまでのルーティンはとても大事、と言われています。決まった動作、手順を踏むことで、精神状態を落ち着かせたり、逆に高めたりする。あるいは、動作や手順に意識を持っていくことで、緊張や余計な思考を遠ざける。

 確かに効果はあります。他でもない僕も、これまでの24年間ずっと、ルーティンにはかなりこだわってきました。

 でも、ラストイヤーを迎えるにあたって、考えるようになりました。ずっとこだわってきたからこそ、逆に今なら「脱ルーティン」も可能なのではないか、と。



 今までやってきたことを否定するわけではないです。むしろ、今までのルーティンを信じる、ということなんだと思います。
 長年、ルーティンを続けてきた今ならば、ルーティンをせずとも、身体の内側で勝手に、同じような準備ができるのではないか。

 そうすれば、その分の脳内リソースを違う方向に向けられる。今まで見えなかったものが見えたり、判断のスピードが増したり、より集中が高まったりするかもしれない。それから動作に割いていた時間を省略できるというのも、今の時代にあっているかもしれません。

 日本でもピッチクロックが導入されて15秒以内に投球される、となったとしても、十分に対応できるようになる。

1/2ページ

著者プロフィール

1983年9月3日生まれ。兵庫県出身。背番号1。外野手。右投左打。177cm/85kg。プロ24年目。育英高から2001年ドラフト4巡目で西武に入団。2008年に自身初の規定打席に到達し最多安打(167安打)を獲得するなどチームの日本一に貢献。08年から9年連続でシーズン100安打以上を達成、12年から16年まではキャプテンを務めるなどチームの顔として活躍。稀代のヒットメーカーとして安打を積み重ね、21年に生え抜き選手では球団史上初となる通算2000安打を達成した。これまで獲得した主なタイトルは最多安打(08年)、ベストナイン(08、10、11、20年)、ゴールデン・グラブ賞(10年)。

当サイトには一部アフィリエイトリンクが含まれています。

リンクから商品・サービスをご購入いただいた場合、スポーツナビに収益が発生することがあります。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント