「スタンフォード・ロック」が象徴するアイデンティティと想い 本塁打量産で好調の佐々木麟太郎と大谷翔平との共通項とは?【後編】
シンボルの「石」に込められた意味
すると、それに気づいた選手らが次々に歩み寄り、撫でたり、キスをしたりと、その石がまるで“幸運のお守り”で、それにあやかるかのような仕草を繰り返した。
あの石にはどんな意味があるのか?
一緒に練習を見ていたレンジャーズのジョシュ・ボイドGM補佐に聞くと彼も知らなかったが、「スカウトに聞いてみる」とその場でテキストメッセージを送ると、翌日には「こういう意味があるそうだ」と、スカウトからのメッセージを転送してくれた。
・マシュマロみたいに外面も内面も穏やかな人もいる。
・ジェリービーンズ(アメリカのお菓子)みたいに外面は怖そうだが、内面は優しい人もいる。
・石のように外面も内面も強い人がいる。
多様性を認め、その石を通して、日々、自分たちがどうあるべきかを胸に刻もう。
リリーフ投手の1人、カシウス・トーマスの発案だそうだが、なるほどアメリカではよく使われる比喩で、一つの象徴を通して責任・覚悟を可視化し、「自分たちはこういうチームであるべき」というアイデンティティを自覚するためのもの、という解釈になる。
メジャーでも例えば、大谷翔平がいたときのエンゼルスが、本塁打を打った後に兜を被っていたのも同じような意味合いがあり、ブルージェイズがホームランを打った打者にジャケットを着させるのも、同様のシンボルといえるのかもしれない。
チームとして戦う一方で、そのチーム内で自分はこういう役割をまっとうすべき――そんな自覚を促す含みもありそうだが、佐々木自身、その役割をこう捉えていた。
「自分の価値というのを改めて理解して、ここに入った理由、監督、コーチが求めているところに対して、自分自身がその理想に近づいていくのがすごく大事」
その求められているものとは何か。
「やはり、OPSなんだと思います」
OPSとは、「出塁率+長打率」で、現代では打率以上に評価され、得点への貢献度が高いとされる数値。そのOPS――昨年は.790だが、今年はここまで1.075(3月27日試合終了時)。1.0を超えるとエリートレベルだが、その数字をクリア。MLBドラフトで上位指名されるような打者なら軒並み1.0を超えるが、この5試合では打率.381、3本塁打と打ちまくり、数字を大台に載せた。
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