レイカーズとの契約最終年を迎えている八村塁 今後のNBAキャリアを左右する大勝負が間もなく始まる
絶好調のチームで限られるボールタッチ数
とにかくロングシュートが重用される現代のNBAにおいて、高精度の3P以上に貴重な武器はない。それを持っているのだとすれば、現在28歳の八村の行く手にはまだまだ長いキャリアが広がっているのだろう。
ブハ記者は昨年12月の時点で、「FAになったら、平均年俸にして2000〜2500万ドル(約31億~39億円)程度を得るのではないか。3年7500万ドル(約110億円)はあり得ると思うし、4年9000万ドル(約142億円)、4年1億ドル(約158億円)もあるかもしれない」と、新契約を予想していた。実際にこのまま行けば、レイカーズでは特にチームプレーを心がけてきた八村が、金銭的にも報われる可能性は十分にある。
もっとも、少々残念なことがあるとすれば、これほど好調にもかかわらず、レイカーズでは八村のボールタッチの機会が決して多くないことだ。特に3月はここまで出場した12戦中、10本以上のフィールドゴール(FG)を手に取ったゲームは2戦だけ。3Pこそ依然として高確率で決め続けているものの、オフェンスの最中はコーナーで待ちぼうけという姿を見ることも少なくない。
もちろんドンチッチ、レブロンのような卓越したスコアラーを擁するチーム内で、ボールに触れる機会が少ないのは仕方ない。特にこの3月、レイカーズは13戦中11勝と絶好調期間に入っており、だとすれば文句も言えない。NBAチームにおける序列をすでに熟知する八村自身も、昨年12月のボストン・セルティックス戦後にはオフェンスに絡む機会の少なさを笑い飛ばしていた。
「チームがどういう状況であろうが僕の役割はだいたい同じで、ボールがもっともらえるか、もらえないかなんで(笑)」
レイカーズで戦う最後のプレーオフに?
まだチーム内にケガ人も多かった昨年10月は平均15.3得点、11月は同14.5得点をマークしていたが、12月は同8.7得点、今年1月は同10.3得点、2月は同10.5得点、3月は同8.8得点と数字は低下。得点以外の面でも黙々と貢献をし続けているがゆえに、このスター軍団で主力の座を確立できたのだとしても、インパクトは長期低下傾向にある。
前出のスカウトも八村の地道な働きをリスペクトした上で、「もうポテンシャルの上限に達した感はある」と、これ以上の伸びしろには疑問を呈していた。
これらの状況から総合的に判断すると、今季終了後にFAになった際、ブハ記者が12月に予測したような金額=平均年俸2000〜2500万ドルを得るのは難しいかもしれない。だとしても、いや、だからこそ、冒頭で述べた通り、今後数カ月は八村にとって極めて重要な時間になりそうなのである。
4月以降のシーズン最終盤&プレーオフでの戦いの中で、どれだけのインパクトを生み出せるか。ドンチッチ、レブロンにマークが集中するゲーム終盤に、シーズン中と同様、アウトサイドからのロングジャンパーを的確に決め続けられるか。シュート機会が劇的に増えることはないにしても、1戦ごとの注目度は増すだけに、“ウイニングプレーヤー”としての存在感を誇示することはできるはずだ。
「(レイカーズの一員でいると)毎試合毎試合がいつも大きい試合というか、意味のある試合なので、そこは面白いなと思いますね」
レイカーズでのプレー、ロサンゼルスでの生活に愛着を滲ませる発言も多い八村だが、状況的に今季がレイカーズで戦う最後のプレーオフになっても不思議はない。ある意味で、ここまでのNBAキャリアの集大成。“Win or Go Home(勝つか、シーズンを終えて家に帰るか)”のバトルとともに、八村にとっての大勝負がもうすぐ始まろうとしている。
(企画・編集/YOJI-GEN)