W杯まで2カ月半――森保ジャパン、今そこにある“危機”と英国遠征で課せられる4つのミッション
ミッション3:個に頼らない攻撃を確立できるか?
森保監督はスコットランド代表について「基本的にはいったんブロックを作って、そこで相手の攻撃を止めて攻撃に移っていく、カウンターを仕掛けることを主にやってきているチーム」と印象を語り、堅守を崩し切るというテーマを口にした。今回は南野や久保という「違い」を生む選手を欠くが、三笘薫や堂安律にしても、本大会ではサスペンションや負傷によって不在のリスクがある。すなわち、特定の個人に頼らず、堅守を攻略する術を確立することが望ましい。
自陣に引きこもるコスタリカ相手に攻めあぐねて敗北した前回大会の教訓を踏まえ(●0-1)、同様に守備的に戦う相手が多いアジア最終予選では「攻撃的ウイングバック」を配すスタイルを磨いてきた。ヨーロッパ勢の堅守にもその戦い方が通用するのか、真価が問われる。
そして攻め筋を探ることに主眼を置く一戦となれば当然、久々の招集となった鈴木唯人や初選出の塩貝らフレッシュなアタッカーに出場機会が訪れる可能性は高い。序列の打破を狙うメンバーでどのように得点を生むかも、大きな焦点になる。
もしここで、攻撃の主軸不在というマイナスを、チームの底上げというプラスに転換できなければ、本番での不測の事態はそのまま致命的な問題に直結しかねない。
ミッション4:慢心せずに課題を抽出できるか?
現在の森保ジャパンも当時のザックジャパン同様、「史上最強」の呼び声は高い。だが、歴史が証明するように、予選の成功やテストマッチの白星は時として「慢心」という毒薬に変わる。だからこそ、この英国遠征では、結果の成否によらず「どれだけ課題を抽出できるか」に目を向けなければならない。
仮に理想的な戦いを見せたとしても、あるいはその逆であっても、チームがいかなる課題を突きつけられ、どんな解を導き出そうとしたのか、冷静にとらえる必要がある。自戒を込めて言えば、メディアも、そしてファン・サポーターも、表面的なスコアに一喜一憂せず、その背後に潜むゆがみに目を凝らすべきだろう。それこそがブラジル大会の悲劇を繰り返さず、ベスト8以上の領域へと到達するための道筋になるはずだ。
勝って兜の緒を締めよ。負けたら兜の緒を締め直せ――。ヨーロッパでの日常を経て視座が高まった今の選手たちなら、高く掲げた理想に酔いしれるのではなく、冷徹な現実を凝視できるだろう。
かつて森保監督はこう語っていた。
「日本代表の歴史は、過去の教訓の上に積み上げられている」
英国遠征という貴重なリハーサルをしっかり血肉に変えられた時、われわれがまだ目にしたことのない「最高の景色」が見えてくる。
(企画・編集/YOJI-GEN)
日本代表 英国遠征メンバー
早川友基(鹿島)
大迫敬介(広島)
鈴木彩艶(パルマ)
▽DF
谷口彰悟(シントトロイデン)
渡辺剛(フェイエノールト)
冨安健洋(アヤックス)※
安藤智哉(ザンクトパウリ)※
伊藤洋輝(バイエルン)
橋岡大樹(ヘント)※
瀬古歩夢(ル・アーヴル)
菅原由勢(ブレーメン)
鈴木淳之介(コペンハーゲン)
▽MF/FW
伊東純也(ゲンク)
鎌田大地(クリスタル・パレス)
三笘薫(ブライトン)
小川航基(NEC)
前田大然(セルティック)
堂安律(フランクフルト)
上田綺世(フェイエノールト)
田中碧(リーズ)
町野修斗(ボルシアMG)
中村敬斗(スタッド・ランス)
佐野海舟(マインツ)
鈴木唯人(フライブルク)
藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)
佐野航大(NEC)
塩貝健人(ヴォルフスブルク)
後藤啓介(シントトロイデン)
佐藤龍之介(FC東京)
※負傷のため冨安と安藤は不参加、代わって橋岡が追加招集