大谷翔平「あそこで1本出ていたら…」悔やんだ四回裏の攻撃 ベネズエラを仕留めきれなかった侍ジャパン

丹羽政善

九回、最後の打者となり悔しい表情でベンチに戻る大谷翔平 【Photo by Yuichi Masuda - SAMURAI JAPAN/SAMURAI JAPAN via Getty Images】

アクーニャ弾と大谷弾、初回から主役の応酬に

 昨年12月のこと。ベネズエラ出身のミゲル・ロハス(ドジャース)をマイアミ郊外にある彼の自宅近くでインタビューを行った。

 ホテルのロビーで待ち合わせ、インタビューをする部屋まで歩きながら雑談をしたが、そのときにワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の話題を持ち出したのは、彼の方だった。

「日程を見たか? 日本とベネズエラは、準々決勝で対戦する可能性がある」

 日本がプールCを1位で通過すれば、プールDの2位と準々決勝で対戦。プールDには優勝候補のドミニカ共和国もいるため、確かにベネズエラが2位で通過し、日本と対戦という可能性は十分に考えられる。

「そうなったら、楽しみだな」

 実際、そうなった。

 選手が楽しみなのだから、盛り上がらないはずがない。ロハスは37歳以上の選手は保険が掛けられない、というルールによって出場できなかったが、序盤から凄まじい展開。

 初回、先頭のロナルド・アクーニャJr.が山本由伸の2球目を捉えて、右中間に先制本塁打。それだけでもう、客席に詰めかけたベネズエラファンは、大歓声。まるで頭上を飛行機が通過していくような轟音がこだました。

一回裏に先頭打者ソロ本塁打を放った大谷翔平 【Photo by Daniel Shirey/WBCI/MLB Photos via Getty Images】

 しかしその裏、大谷が内角低めのスライダーを捉え、やはり右中間へ同点本塁打。今度は日本のファンが歓喜し、そしてその1本は、2年前のパドレスとのプレーオフ初戦を彷彿させた。

 あの試合では初回、山本が3点を失った。しかし2回裏、2死一、二塁で打席に入った大谷がライトに3ランを放って試合は振り出しに。その後、ドジャースは再びリードを許したが、最終的には7対5で貴重なシリーズ初戦を制している。

 今回も同じような展開となり、三回、初回に盗塁を試みた際に右膝を痛めた鈴木誠也に代わって出場した森下翔太がレフトに3ランを放ち、勝ち越しに成功している。

 その時点での展開を振り返り、「いい流れだった」と大谷。

「由伸が立ち上がりで1点取られましたけど、それ以降も踏ん張っていましたし、早い段階で1点取られて、また取り返して。その後4点を取って...」

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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