選抜連覇を狙う横浜、夏春連覇に挑む沖縄尚学 “滑り込み出場”の両校の勝算は?

関東・東京地区の“最後の1枠”に滑り込んだ横浜。織田、小野、池田ら昨春の優勝経験者が残り、戦力は充実している 【写真は共同】

 昨春の選抜大会を制した横浜と、昨夏の甲子園で頂点に立った沖縄尚学。両校はともに秋季大会で思うような結果を残せず、いわばぎりぎりで今春選抜の出場校に選ばれた。ただ、どちらも昨年の全国優勝に貢献した選手が残るなど戦力値は高い。甲子園の大舞台で秋からの巻き返しを果たす可能性は十分あるだろう。

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投打両面で織田の負担をいかに減らせるか

 高校野球の約2年半は、長いようで短く、短いようで長い。2年半をずっと順風満帆で過ごす選手は、ほとんどいない。大リーグで3年連続MVPを獲得し、いまや名実ともに「世界一」の選手となったドジャースの大谷翔平でも、花巻東(岩手)時代は成長痛などで苦しんだ時期があった。

 昨年、2年生で甲子園の頂点に立った2人の投手も、昨秋のシーズンは悔しさを味わった。横浜の右腕、織田翔希と、沖縄尚学の左腕、末吉良丞である。

 3月19日に開幕する第98回選抜大会。横浜と沖縄尚学はいずれも「連覇を狙う王者」でありながらも、挑戦者という立場で甲子園に臨む。

 昨春の選抜大会を制し、夏も8強まで進んだ横浜は、秋の関東大会の準々決勝で専大松戸(千葉)に2-4で敗れた。先発した左腕の小林鉄三郎(当時1年)が5回までに3点を失い、打線は相手を上回る10安打を放ちながら15残塁と、決定打が出なかった。チームの課題がはっきりと出た試合だった。

 すなわち、打線の強化と織田に続く投手たちの成長だ。

 野手陣で昨夏も一桁背番号をつけていたのは、主将で一塁手の小野舜友、遊撃手の池田聖摩、外野手の江坂佳史の3人。夏は5番に座った小野を1番に置き、2番池田、4番江坂と3人を上位に並べた専大松戸戦は、10安打のうち7安打をこの3人が放った。頼もしい存在ではあるが、3人で勝てるほど関東の舞台は甘くなかった。

 野手陣の底上げをどう図るか。

 とりわけ奮起が期待されるのが、新2年生の川上慧だろう。昨夏は1年生ながら選抜優勝メンバーに食い込み、ベンチ入り。甲子園でもスタメンに名を連ねた。しかし秋は3番を任されながら、打率2割台と苦しんだ。明石ボーイズ時代から注目された、パンチ力のあるこの左打者が選抜でどんな姿を見せるのか注目したい。

 投手陣は、秋に2番手だった小林のほか、同じ新2年生でスライダーが武器の福井那留、遊撃手の池田や外野手の林田滉生らもマウンドに上がる。昨年の戦い方を見ても、村田浩明監督は多彩な継投策で戦うのを好むだけに、安心してマウンドを任せられる存在が1人でも増えてほしいところだろう。

 投打の両面で、いかに織田の負担を減らすことができるか。これが史上4校目の「春連覇」に向けた大きなカギになる。

「勝ち上がれば強くなれる組み合わせ」と村田監督

打線の奮起とともにポイントになりそうなのが、エース織田以外の投手の頑張り。大型左腕の小林にかかる期待は大きい 【YOJI-GEN】

 何といっても、横浜の強みは選手層の厚さと競争力だ。中学時代から名を馳せた選手たちが、ハイレベルな仲間と切磋琢磨を重ね、成長できる環境がある。ベンチ入りのメンバーから漏れてしまう危機感とも戦いながら、一冬でどんなチームに進化を遂げるか。

 そして大黒柱となる織田も、このままではいけないという思いを強く持つ。夏の疲れもあった秋は下半身のコンディショニング不良などに苦しみ、本来の出来からは遠かった。最速154キロの全国ナンバーワン右腕のさらなる成長が、チームを勢いづけるのは間違いない。

 3月6日の組み合わせ抽選会で、1回戦の相手は神村学園(鹿児島)に決まった。2023、24年に連続して全国選手権4強に入った強豪だ。同じゾーンには花巻東や智弁学園(奈良)、花咲徳栄(埼玉)など、甲子園の常連校が居並ぶ。

 村田監督は「勝ち上がれば強くなれる組み合わせに入った」と言った。奇しくも、大会第2日の第2試合に登場という試合日程は、優勝した昨春とまったく同じだ。

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著者プロフィール

朝日新聞東京本社スポーツ部記者。2005年に朝日新聞入社後は2年半の地方勤務を経て、08年からスポーツ部。以来、主にプロ野球、アマチュア野球を中心に取材をしている。現在は体操担当も兼務。1982年生まれ、富山県高岡市出身。自身も大学まで野球経験あり。ポジションは捕手。

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