攻め切った銀メダル 恐怖を乗り越え、村岡桃佳が見せた執念の大回転
1回目を2位で終えた村岡は、2回目に逆転を狙いフルアタックをかけた。スタート直後の急斜面でバランスを崩したことによるタイムロスが響き、トップのアナレナ・フォレスター(ドイツ)に届かなかったものの、9日のスーパー大回転に続く今大会、自身2個目の銀メダルとなった。
戦略通りの1本目、逆転を狙った2本目
「今日は金メダルを取りたいという気持ちだけでした」
1回目、村岡は自分の滑りの前に2種目で金メダルのアウドレイ・パスクアルセコが転倒するアクシデントを目の当たりにした。その転倒を見て、1回目に関してはフルアタックではなく、戦略的に攻めるレースへ作戦を変更した。結果は1分15秒66で2位。トップのフォレスターとは0.54秒差だった。
「(トップのフォレスターと)0.5秒差の2位というのは計画通りでした」
冷静さと勝負勘、王者として培ってきた経験がこの滑りを支えていた。
ミラノ・コルティナパラリンピック日本代表選手団の大日方邦子団長もそのレース内容を評価する。
「今日の1本目も2本目も(村岡)桃佳らしい滑りでした。クレバーな試合運びだったと思います」
目標は金メダル、村岡にとって十分逆転可能な位置だった。
2本目へ向け、ハイパフォーマンスディレクターの石井沙織氏は明確な指示を送った。
「勝つためにはアグレッシブな滑りでいこう」
指示通りに攻めに行った村岡だったが、スタート直後の急斜面でバランスを崩してしまった。
「(バランスを崩してしまった時に)止まりかけてしまったところのタイムロスが大きかった。そこが悔しいポイントです」
このミスが響き、2回目のタイムは1分16秒26。合計2分31秒92で2位となった。悔しい結果となったが、村岡のレース後の表情は、悔しさよりも充実感が勝っていた。
「悔しいです。でも『やり切った!悔しい!楽しかった!』という感じですね」