日本勢3人入賞もメダル届かず パラアルペン複合で見えた課題と手応え
スーパー大回転と回転の合計タイムで争われる複合は、スピードと技術の両方を試されるタフな種目。北京大会の同種目銀メダリストの村岡は5位、男子では森井が5位、鈴木は6位に入り、3選手ともが入賞を果たした。しかし、日本チームが目標に掲げていたメダルには届かず、それぞれのレースには次につながる手応えと課題が残された。
村岡桃佳、痛みを耐えた2本
複合の1本目のスーパー大回転、村岡のタイムは1分29秒44と前日よりも約5秒遅い結果で暫定4位。怖さもあってかかなり慎重な滑りをしているように見えた。
「今日のセットは本当に難しかった。昨日よりスピードも出るし、飛距離も出そうだったので、“怪我を増やさない”ことに重きを置いた。絶対転倒できないので」
攻めよりも安全を選択する判断だった。
続く2本目の回転では、復帰直後というコンディションが影響した。チェアスキーのスラロームでは体や腕でポールを倒しながら滑る。その衝撃が、まだ回復途中の村岡の体を襲った。
「(怪我をしてまだ完治していない)鎖骨にドンピシャで当たる。直に当たるわけではないけど響いた」
ターンの多さやリズムの変化に対応しきれず、何度かバランスを崩しながらも最後まで滑り切った。
最終結果は5位入賞、メダルには届かなかった。
「約1か月前までは私は選手ではなく患者だった。やはり体力を戻しきるのは厳しかった。昨日までは1本で勝負がついていたが、今日から1日2本のレースが続くことに震えています」
それでも、復帰からわずか数週間で世界トップと戦える位置まで戻し、スーパー大回転ではメダルも獲得した。 このレースは、村岡が再びメダル争いへ向かう“スタートライン”にも感じられた。
パラアルペンが抱える課題に言及した森井
ベテランの森井は1本目のスーパー大回転の7位という結果に悔しい表情を見せた。
だが、2本目の回転では全体3位のタイムを叩き出し、最終結果は2つ順位を上げ5位入賞。「回転に関してはやっと自分の滑りができた」と少し安堵していたが、満足はしていなかった。
「タイムは全体の3番、でも3番ではダメ。しっかり今日の滑りをビデオなどで振り返ってスラローム(回転)の日までに改善していきたい」
さらに森井は、日本のパラアルペンスキーが抱える課題にも言及した。
3種目を終えて、好タイムを連発する海外選手たちを前に「いやーー、速い。滑りを見ていてもこんな動きできるんだとびっくりする」と驚きながら、日本勢との差を大きく感じていた。
その“動き”というのは斜面変化への対応力だという。ただその練習環境と経験が今の日本チームには足りない。
「この対応力を身につけるためには練習量が大事。僕はチェアスキーを改良して海外勢と互角に戦ってきたが、難しいコースだとそれも効かなくなる。後進のためにどう練習環境を作ってあげられるかを、僕たちは考えていかないといけない」