日本勢3人入賞もメダル届かず パラアルペン複合で見えた課題と手応え

スポーツナビ

女子スーパー複合座位の後半回転で滑走する村岡桃佳。痛みに耐えながら滑り切った 【写真は共同】

 ミラノ・コルティナパラリンピックのパラアルペンスキー・複合が現地時間3月10日に行われ、座位クラスには村岡桃佳、森井大輝、鈴木猛史が出場した。

 スーパー大回転と回転の合計タイムで争われる複合は、スピードと技術の両方を試されるタフな種目。北京大会の同種目銀メダリストの村岡は5位、男子では森井が5位、鈴木は6位に入り、3選手ともが入賞を果たした。しかし、日本チームが目標に掲げていたメダルには届かず、それぞれのレースには次につながる手応えと課題が残された。

村岡桃佳、痛みを耐えた2本

「しんどかったです!」。取材エリアに来た村岡の第一声だった。

 複合の1本目のスーパー大回転、村岡のタイムは1分29秒44と前日よりも約5秒遅い結果で暫定4位。怖さもあってかかなり慎重な滑りをしているように見えた。

「今日のセットは本当に難しかった。昨日よりスピードも出るし、飛距離も出そうだったので、“怪我を増やさない”ことに重きを置いた。絶対転倒できないので」

 攻めよりも安全を選択する判断だった。

 続く2本目の回転では、復帰直後というコンディションが影響した。チェアスキーのスラロームでは体や腕でポールを倒しながら滑る。その衝撃が、まだ回復途中の村岡の体を襲った。

「(怪我をしてまだ完治していない)鎖骨にドンピシャで当たる。直に当たるわけではないけど響いた」

 ターンの多さやリズムの変化に対応しきれず、何度かバランスを崩しながらも最後まで滑り切った。

 最終結果は5位入賞、メダルには届かなかった。

「約1か月前までは私は選手ではなく患者だった。やはり体力を戻しきるのは厳しかった。昨日までは1本で勝負がついていたが、今日から1日2本のレースが続くことに震えています」

 それでも、復帰からわずか数週間で世界トップと戦える位置まで戻し、スーパー大回転ではメダルも獲得した。
このレースは、村岡が再びメダル争いへ向かう“スタートライン”にも感じられた。

パラアルペンが抱える課題に言及した森井

男子アルペン複合座位の回転でゴールした直後の森井大輝 【写真は共同】

「最初から最後まで自分の滑りができなかった」

 ベテランの森井は1本目のスーパー大回転の7位という結果に悔しい表情を見せた。

 だが、2本目の回転では全体3位のタイムを叩き出し、最終結果は2つ順位を上げ5位入賞。「回転に関してはやっと自分の滑りができた」と少し安堵していたが、満足はしていなかった。

「タイムは全体の3番、でも3番ではダメ。しっかり今日の滑りをビデオなどで振り返ってスラローム(回転)の日までに改善していきたい」

 さらに森井は、日本のパラアルペンスキーが抱える課題にも言及した。


 3種目を終えて、好タイムを連発する海外選手たちを前に「いやーー、速い。滑りを見ていてもこんな動きできるんだとびっくりする」と驚きながら、日本勢との差を大きく感じていた。

 その“動き”というのは斜面変化への対応力だという。ただその練習環境と経験が今の日本チームには足りない。

「この対応力を身につけるためには練習量が大事。僕はチェアスキーを改良して海外勢と互角に戦ってきたが、難しいコースだとそれも効かなくなる。後進のためにどう練習環境を作ってあげられるかを、僕たちは考えていかないといけない」

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