「忘れられない景色になった」 村岡桃佳、復帰戦でつかんだパラ通算10個目のメダル

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村岡桃佳は「復帰初戦」のスーパー大回転座位で銀メダルを獲得 【写真は共同】

 ミラノ・コルティナパラリンピックのパラアルペンスキー・スーパー大回転(座位)が現地時間3月9日に行われた。女子では北京大会同種目金メダリストの村岡桃佳が1分24秒14でフィニッシュし、銀メダルを獲得。パラリンピックのメダルは通算10個目となった。

 昨年4月に右肘脱臼、さらに11月には左鎖骨骨折という大きな怪我を乗り越え、約1年ぶりの復帰戦。コンディションを優先して滑降は欠場を選択し、臨んだスーパー大回転で、日本のエースは再びパラリンピックの表彰台に立った。

怪我、恐怖、不安……それでも戻ってきたパラリンピック

 昨年から続いた怪我は、村岡のキャリアの中でも厳しい時間だった。右肘脱臼、左鎖骨骨折、いずれもイタリアでの練習中の転倒によるものだ。鎖骨はプレートで固定されており、完全にはくっついていない中、“復帰戦”としてスーパー大回転に出場した。

 スタート位置に立った瞬間の景色は、村岡にとって特別なものだった。

「まずはこのパラリンピックの舞台に戻ってこられたこと、きちんとスタートに立てたことが嬉しかった。スタートからの景色を見て『これはまた忘れられない景色だな』と思いました」

 パラリンピックのスタートの景色は印象的で、過去大会の景色も全て覚えているという。

 村岡は現地時間3月7日に開催された滑降のレースを欠場したが、他の日本人選手が滑る姿を観るために会場を訪れていた。観ている中で「果たしてこのコースを私は滑れるのだろうか」と不安を隠せなかったという。

 実際、コースは起伏が激しく、ブラインド(次の旗門が見えない)の中飛び出さないといけない箇所が連続する難コース。さらに気候の暖かさによって雪質も変化し、コースの下部は春雪のようなシャバシャバな状態になっていた。

「チェアスキーは地形によって思ってないところで跳ねたりもする。すごく対応力が求められるコースでした」

 そんな状況で村岡が選んだのは、攻めすぎない安全なレースだった。

「今の時点でこれ以上転倒などで怪我を増やすことはできない。セーブしつつも要所はしっかりおさえて滑りました」

出場の判断は前日

 アルペン日本代表・ハイパフォーマンスディレクター(HPD)の石井沙織氏によると、スーパー大回転への出場の最終的な判断がされたのは前日の夕方だったそうだ。

 村岡は今大会と同じコースで怪我をしており、「本人の恐怖心はすごくあった。そんな中で本当によく頑張ったと思います」と、石井氏は村岡の結果と頑張りを称えた。

 スーパー大回転においてはメダルではなく、「完走」を最優先の目標に設定していた。

「メダルを目指さなくてもいいから、まずこのコースでフィニッシュをすることを一番に考えて、GS(大回転)の練習だと思っていいよ、と送り出しました」

 雪上復帰はわずか約1カ月前。それでも表彰台に立った村岡の滑りを、石井氏はこう評価する。

「おそらく本人の中では50%くらいの滑りだったと思います。でもおさえるところはおさえて、攻めるところは攻めるというベテランだからできる滑りだった」

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