ロコ・ソラーレの最終兵器が混合日本一を手土産に合流へ 小穴桃里が五輪の学び得て世界選手権W参戦
五輪現地観戦とロコ・ソラーレからのオファー
ミラノ・コルティナ五輪が終わり、現在はパラリンピックが開催中だ。
国内では青森のオカでんアリーナでミックスダブルスの日本選手権が8日まで行われていたが、その開幕前に小穴桃里(小穴鋳造所)は、来季以降の活動について質問を受け上記のように応えた。
ミックスダブルスは2018年の平昌大会から五輪正式種目に採用されたが、日本はこれまでの3大会でまだ出場を果たしていない。コルティナに向けて小穴と青木豪(新東工業)、そして国内で最大のライバルとなる松村千秋(中部電力)と谷田康真(北海道クボタ)の2ペアはミックスダブルスに専念して活動してきた。
しかし、代表候補となった小穴と青木は12月のカナダ・ケロウナでの五輪最終予選を勝ち抜くことができず、イタリア行きの道は絶たれた。
12月からは「チームとしては難しい時間を過ごした」と語る小穴にコンタクトしたのは、ロコ・ソラーレだった。世界ランキングで国内最上位を確保した彼女らは、3月にカナダ・カルガリーで行われる世界選手権に日本代表として派遣される。その代表チームに帯同してほしい。そんなオファーだった。
同時期、小穴は出場が叶わなかった五輪の舞台へ、コルティナの地へ足を運んでいる。ミックスダブルスのメダルゲームをはじめ数試合を現地観戦した。自身のメディアプラットフォーム「note」にも「オリンピックを通して何を感じたかは、今後の活動を決めていく上でのヒントにもなった」と綴っているが、改めてこんなことも言っていた。
「やっぱりあそこの舞台で戦っている選手は本当に高い波を乗り越えて、乗りこなしてきた人たちだった」
そんなことを感じていた矢先のオファーだったため、この先の4年を考え「私としてもすごく勉強になる経験だと思いますし、いい刺激をもらえるかなと思って」と快諾。ロコ・小穴が誕生する経緯を明かしてくれた。
2030年フランスアルプス五輪へは「今は考える期間」
ロコ・ソラーレはリードの吉田夕梨花からスキップの藤澤五月まで、この約10年の間、4選手が同じポジションで戦ってきた成熟したチームだ。それでも小穴の能力をもってすれば、高いレベルで4つの代役すべてをこなすことは可能だ。吉田夕の言葉を借りれば「カーリングのうまい選手」という総合力を求められた。
相棒である青木にも相談と報告をしたが、青木の第一声は「え、桃里さん、スイープするの?」という驚きだったという。
「驚きましたけれど、あそこ(ロコ・ソラーレ)はフロント(のスイープ)が強いんで、まあ曲げ(カールスイープ)なんですかね。僕としては桃里さんにアリーナ(のアイス)を経験してきてほしいです。自分たちはまだ世界(ミックスダブルス選手権)に行ってなくて、アリーナの経験はアジア大会の1回だけなんですよね。だから桃里さんにはいい経験をしてほしい」
青木はそう小穴を送り出す一方で、自身はOBとして札幌国際大の4人制のチームに加わり2月の北海道選手権を制した。6月に横浜BUNTAIで行われる日本選手権に進む。自身としては4年ぶりの4人制の日本選手権で、アリーナ開催は初だ。小穴も6月までロコ帯同が決まれば、ペアとしてチームこそ違うがアリーナアイスでのプレーを経験できるのは大きなメリットだろう。
ただ、小穴・青木ペアは来季以降、次の2030年フランスアルプス五輪までの活動については現段階で詳しくは明かしていない。大会前に「何かを明言というのはないんですけれど、それぞれこの次を目指すとなったらどういうふうにしたらいいかっていうのを考える期間」と現状を率直にコメントするにとどまった。
2月の五輪、3月の日本選手権と世界選手権帯同、4月には新設されるプロリーグ「ロックリーグ」に参加し、この世界選手権で優勝すればスイス・ジュネーブでの世界選手権にも出場する。シーズン終盤にして現段階でもっとも忙しいカーラーのひとりだろう。「本当に学べることがたくさんある」と本人はいつもの笑顔を見せたが、そこで何を学び、どう次に繋げるのか。決断と発表が待たれる。
地元チームの躍進あり、世界ランカーの好ショットあり。激戦続きだったミックスダブルス選手権も終わった。
小穴・青木は悲願の初優勝。小穴は大会初日に観客席に飾られたトロフィーを確認し「あれにまだ触ったことないって試合前に(青木と)話していたので、触れるようにがんばります」と笑っていたが、見事に有言実行となった。
喜びも束の間。9日には青森から東京に移動し、バンクーバー経由でカルガリーへ。日本選手権初優勝を手土産にロコ合流となる。3月の4人制でロコと共に、4月のミックスダブルスでは青木と。世界一へのチャンスは2回もある。
小穴桃里(こあな・とうり)
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