米記者が準々決勝ラウンド進出8チームを大胆予想 侍ジャパンの連覇を阻む「最強の刺客」とは?

丹羽政善

前回大会優勝の侍ジャパン。MLB.COMのマイケル・クレア記者がベスト8のチームを予想した 【 Photo by Gene Wang/Getty Images】

 各プールのグループ分けを見れば、こことここが上がってくるだろうな、という予想は、さほど難しくない。ただ、MLB.COMの記者で、前回大会で話題になったチェコの野球界についての著書「We Sacrifice Everything to Baseball: How the Czech Republic's Amateur Underdogs Became World Baseball Classic Heroes(我々は野球のためにすべてを犠牲にした。いかにチェコのアマチュア集団は不利を跳ね返し、WBCでヒーローになったのか)」もあるマイケル・クレア記者は、「意外と番狂わせがあるかもしれない」と話す。彼に今回、準々決勝に駒を進めるであろう8チームを予想してもらった。

プールA:先発陣に厚みがあるカナダが1位突破か

カブスのジェームソン・タイヨンがカナダの投手陣の軸になりそうだ 【Photo by Matt Dirksen/Chicago Cubs/Getty Images】

 まず、1位抜けはカナダだと予想する。ジェームズ・パクストン、フィリップ・オーモンら、引退した選手の力を借りなければいけないあたりに無理があるが、ジェームソン・タイヨン、カル・クアントリル、マイク・ソロカら、メジャーで実績のある先発もいる。

 野手もネイラー兄弟(ジョシュア、ボー)、レッドソックス時代の2024年に113試合で31本塁打を放ったタイラー・オニールら実績のある選手がいて、さらにマーリンズのプロスペクトであるオーウェン・ケイシー、オット・ロペスといった若手もいるので、バランスがいい。

 2位予想は難しい。順当ならプエルトリコだろうが、コロンビアとの差はさほどない。プエルトリコは、精神的支柱だったフランシスコ・リンドアとカルロス・コレアを保険の問題で欠く。セス・ルーゴというエース、→エドウィン・ディアスという絶対的なクローザーがいるが、他の投手陣にやや不安がある。野手では、ノーラン・アレナドが加わったものの、一時期の力はない。それよりは、レッズの有望株であるエドウィン・アローヨが楽しみだが、彼がリンドアの穴を埋められるわけではない。

 一方のコロンビア。先発の柱は、ホセ・キンタナとフリオ・テヘラン。決勝ラウンドで先発するならやや不安だが、プールラウンドなら十分な結果を残すのではないか。野手ではマリナーズのプロスペクトで、昨年の予選でも活躍したマイケル・アロヨに注目したい。マイナー通算では4割以上の出塁率を残しており、彼がリードオフとしてチャンスメークできれば、得点パターンが増える。

 ただ、開催地はプエルトリコ。ホームアドバンテージをいかし、最終的にプールAを突破するのはカナダとプエルトリコだと予想する。

プールB:メキシコとイタリアの熾烈な2位争い

メキシコのクローザーはマリナーズのアンドレス・ムニョスが務めるか 【Photo by Alika Jenner/Getty Images】

 まあ、アメリカに関しては問題ない。タリク・スクバルが決勝ラウンドでは投げないことを明かしたが、プールラウンドでは、スクバル、ポール・スキーンズ、ローガン・ウェブが先発予定。早々に決勝ラウンド進出を決めれば、クレイトン・カーショーが4戦目で先発するのではないか。野手に関してももう、アーロン・ジャッジ、カイル・シュワバー、ボビー・ウィットJr.らがいて、不安はない。

 2位がどこになるかだが、前回大会で準決勝まで進み、最後まで日本を苦しめたメキシコとイタリアの争いになるだろう。

 メキシコはハビエル・アサド、タイワン・ウォーカーらが先発の柱だが、何よりも今回、マリナーズのクローザーでもあるアンドレス・ムニョスが加わったことで、勝ちパターンができた。昨季は38セーブ、防御率1.73。前回大会では抑えの不安が的中し、日本にサヨナラ負けを許したメキシコにとっては、大きな“補強”となった。

 しかし、イタリアもメジャーで実績のあるアーロン・ノラ、マイケル・ロレンゼンが投手陣に加わり、サミュエル・アルデゲリ、アレサンドロ・エルコラーニといった若いメンバーも楽しみ。リリーフにも昨季レッドソックスで13セーブ、防御率2.82だったグレゴリー・ワイザートらがいる。オフェンスでは前回大会にも出場したビンセント・パスクアンティノ、ロイヤルズでチームメートのジャック・カグリオンが出場する。カグリオンは大学時代、投打の二刀流として活躍。メジャー昇格を優先して打者に絞り、1年目で見事に昇格した。実績はこれからだが、国際大会でどんなパフォーマンスを見せるのか、興味深い。

 ちなみにメキシコとイタリアは、プールラウンドの最後で対戦予定だ。その勝者が決勝ラウンドへ進むことになるのかもしれない。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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