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史上1位となったミルナーの影響力 通算654試合出場の鉄人を間近で見る三笘薫の秘めた誓い

森昌利

2月21日のブレントフォード戦で、40歳のミルナーがプレミア通算654試合出場という新記録を打ち立てた 【Photo by Pedro Porru/MB Media/Getty Images】

 ブライトンが2月21日(現地時間、以下同)のブレントフォード戦で実に7試合ぶりとなるリーグ戦勝利を飾った。三笘薫はフル出場し、敵地での勝ち点3奪取に貢献したが、この日の主役は何といっても大ベテランのジェームズ・ミルナー。久々にスタメンに名を連ねた40歳のMFは、この試合でプレミアリーグ通算出場数が654に達し、単独1位となった。三笘も敬服する鉄人のスタミナは相変わらず底なしで、偉大な記録はこの先まだまだ伸びそうだ。

喉から手が出るほど欲しかった勝利に三笘は破顔一笑

アウェーゲームをクリーンシートで制し、長いトンネルからようやく脱出。7試合ぶりのリーグ戦勝利に三笘は笑顔を見せた 【Photo by Tiego Grenho/MI News/NurPhoto via Getty Images】

「プレーでも声でもチームを盛り上げていますし、あの年齢であのパフォーマンスというのは本当にすごいと思う。尊敬しています」

 2月21日に行われたブレントフォードとのアウェー戦。90分間フル出場した三笘薫ももちろん、この試合の2-0での勝利に貢献した。

 アタッカーとしてゴールやアシストを記録しなかったのは確かだ。しかし2点をリードして迎えた後半、非常に高いインテンシティを維持して相手をゼロに抑えたブライトン・イレブンの一員として懸命に走り、スペースを必死に消して、6試合遠ざかり喉から手が出るほど欲しかったリーグ戦勝利をつかんだ。

 三笘は、そうしてチームが一丸となってクリーンシートを達成した勝利を心から喜んだ。

 試合終了のホイッスルが鳴ると、遠目の記者席からでもはっきりと見て取れるように“やった!”というふうに破顔一笑し、両脇を締めて両拳をグッと握りガッツポーズをした。そして次々にピッチ上のチームメイトとガシッと抱擁し、ハイタッチを交わし、アウェー席を埋めたブライトン・サポーターの前に歩み寄っていった。

ブライトンのなかで最もハードに動き回りMOMに選出

ミルナーは後半45分に交代するまで、常に足を動かしてピッチを縦横無尽に駆け回った。ボールタッチ数もチーム最多を記録 【Photo by Paul Harding/Getty Images】

 この試合の主役となった40歳のベテランMFはベンチからゆっくりと歩み出ると、チームメイトと合流し、歓喜で沸くサポーターの前に立った。

 ジェームズ・ミルナーはこの日、プレミアリーグ654試合出場を達成し、史上1位の鉄人となっていた。

 2位はマンチェスター・シティで同僚だったガレス・バリーの653。以下、ライアン・ギグスの632、フランク・ランパードの609と続く。600試合の大台に達した偉大な選手はこの4人しかいない。

 ミルナーが積み上げた654試合は、年間38試合のリーグ戦に休みなく出場したとしても、17シーズンと8試合を要する気が遠くなるような数字だ。

 しかもこの試合に先発したミルナーは後半45分までプレーして、BBCの視聴者投票で決まるマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。

 この試合をご覧になっていない読者のなかには、ひょっとしたら新記録達成のご祝儀的なマン・オブ・ザ・マッチだったと思われる方がいるかもしれない。しかしそんなことは微塵もない。ミルナーはブライトンの10人のフィールドプレーヤーのなかで最もハードに動きまくった。最年長選手が最終ラインから最前線まで疾走し続けて、時には両脇のサイドバックの位置もカバーした。

 魂のこもったスライディングタックルも見せた。後半45分に22歳のカルロス・バレバと交代してベンチに引き揚げてきたミルナーのユニホームは、ブレントフォードの選手も含めて、この試合に出場した誰のものより泥で汚れていた。

 三笘が「あの年齢であのパフォーマンスというのは本当にすごいと思う」と話した通りのプレーをしたのだ。

 実際、この試合のミルナーのタッチ数は70。これは65のヤン・ポール・ファン・ヘッケ、60のパスカル・グロスを超えるブライトン最多の数字だった。

 無論、チームのなかでボールに最も触り、試合を動かし、コントロールしたミルナーはすごい。しかし筆者の感動を呼んだのはそのすさまじい運動量だった。

 ミルナーはまるで新人選手が初の先発をつかみ、試合が90分に及ぶことなどすっかり忘れたかのように、開始から飛ばしに飛ばす全力プレーを終始続けた。

 それは本当に40歳とは思えない、底なしのスタミナだった。

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著者プロフィール

1962年3月24日福岡県生まれ。1993年に英国人女性と結婚して英国に移住し、1998年からサッカーの取材を開始。2001年、日本代表FW西澤明訓がボルトンに移籍したことを契機にプレミアリーグの取材を始め、2025-26で25シーズン目。サッカーの母国イングランドの「フットボール」の興奮と情熱を在住歴トータル30年の現地感覚で伝える。大のビートルズ・ファンで、1960・70年代の英国ロックにも詳しい。

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