史上1位となったミルナーの影響力 通算654試合出場の鉄人を間近で見る三笘薫の秘めた誓い
喉から手が出るほど欲しかった勝利に三笘は破顔一笑
2月21日に行われたブレントフォードとのアウェー戦。90分間フル出場した三笘薫ももちろん、この試合の2-0での勝利に貢献した。
アタッカーとしてゴールやアシストを記録しなかったのは確かだ。しかし2点をリードして迎えた後半、非常に高いインテンシティを維持して相手をゼロに抑えたブライトン・イレブンの一員として懸命に走り、スペースを必死に消して、6試合遠ざかり喉から手が出るほど欲しかったリーグ戦勝利をつかんだ。
三笘は、そうしてチームが一丸となってクリーンシートを達成した勝利を心から喜んだ。
試合終了のホイッスルが鳴ると、遠目の記者席からでもはっきりと見て取れるように“やった!”というふうに破顔一笑し、両脇を締めて両拳をグッと握りガッツポーズをした。そして次々にピッチ上のチームメイトとガシッと抱擁し、ハイタッチを交わし、アウェー席を埋めたブライトン・サポーターの前に歩み寄っていった。
ブライトンのなかで最もハードに動き回りMOMに選出
ジェームズ・ミルナーはこの日、プレミアリーグ654試合出場を達成し、史上1位の鉄人となっていた。
2位はマンチェスター・シティで同僚だったガレス・バリーの653。以下、ライアン・ギグスの632、フランク・ランパードの609と続く。600試合の大台に達した偉大な選手はこの4人しかいない。
ミルナーが積み上げた654試合は、年間38試合のリーグ戦に休みなく出場したとしても、17シーズンと8試合を要する気が遠くなるような数字だ。
しかもこの試合に先発したミルナーは後半45分までプレーして、BBCの視聴者投票で決まるマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
この試合をご覧になっていない読者のなかには、ひょっとしたら新記録達成のご祝儀的なマン・オブ・ザ・マッチだったと思われる方がいるかもしれない。しかしそんなことは微塵もない。ミルナーはブライトンの10人のフィールドプレーヤーのなかで最もハードに動きまくった。最年長選手が最終ラインから最前線まで疾走し続けて、時には両脇のサイドバックの位置もカバーした。
魂のこもったスライディングタックルも見せた。後半45分に22歳のカルロス・バレバと交代してベンチに引き揚げてきたミルナーのユニホームは、ブレントフォードの選手も含めて、この試合に出場した誰のものより泥で汚れていた。
三笘が「あの年齢であのパフォーマンスというのは本当にすごいと思う」と話した通りのプレーをしたのだ。
実際、この試合のミルナーのタッチ数は70。これは65のヤン・ポール・ファン・ヘッケ、60のパスカル・グロスを超えるブライトン最多の数字だった。
無論、チームのなかでボールに最も触り、試合を動かし、コントロールしたミルナーはすごい。しかし筆者の感動を呼んだのはそのすさまじい運動量だった。
ミルナーはまるで新人選手が初の先発をつかみ、試合が90分に及ぶことなどすっかり忘れたかのように、開始から飛ばしに飛ばす全力プレーを終始続けた。
それは本当に40歳とは思えない、底なしのスタミナだった。