佐々木朗希&山本由伸“豪華リレー”は想定外? 「ちょっとやっぱり不服そうでした、でも…」WBC優勝の舞台裏

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「実はリリーフに不服?佐々木朗希と山本由伸の“豪華リレー”」

五十嵐:僕、インパクトのあるメキシコ戦なんですけれども、先発に佐々木投手。これはもう吉井さんの中ではプラン通りだったんですか。

吉井:いや、これ違うんですよね。本当はダルビッシュと大谷が決勝ラウンドでは投げないっていうふうに聞いてたんで、準決勝・山本、決勝・佐々木朗希の順番でローテーション組んでたんですよ。

五十嵐:はい。

吉井:だけど監督が直前になって「決勝どうしても行きたいんで、いいピッチャー2人つぎ込みたい」と。そこで朗希はリリーフ未経験なんで、プライドは許さないかもしれないけども、説得して、朗希先発、山本2番手。山本もいい子なんで、言うこと聞いてくれたんで。

五十嵐:そのときはどんな感じだったんですか、山本投手は?

吉井:ちょっとやっぱり、不服そうでした、でも「チームのためにやります」って快く引き受けてくれたんで。

五十嵐:コーチもそうやってお願いしなきゃいけないもんなぁ。

吉井:結果的には朗希も由伸も、ちょっと点(2人で計5失点)を取られたんで。

五十嵐:7回に吉田選手がホームランを打ったとき、どうでしたか。

吉井:行けそうな気はしてたんです。メキシコのピッチャー陣も出てくるピッチャーどんどん悪くなっていくんで。どこかで捕まえられるだろうと思ったら、そこで吉田選手がスリーラン打ってくれたんで。朗希はめっちゃ喜んでましたけどね。

五十嵐:そうですよね。でも次の回にまた2点取られてるんですよ。

吉井:メキシコも打線はやっぱり強かったですね。

五十嵐:そして劇的な最後(村上宗隆のサヨナラ打)。

吉井:でもあのとき、村上に代打出そうとしてたんですよ。あそこよく思い留まったなと思う。

「パニックのダルビッシュを救った一言」

五十嵐:決勝はもう本当に総力戦になりましたもんね。

吉井:そうですね。決勝はもう、言ったらブルペンデーっていう感じになったんで、これも(登板の)順番も本当に一生懸命考えましたよ。

五十嵐:これはどの時点で考えるんですか?

吉井:準決勝に2人つぎ込むって決めた時点で考えてました。順番もこの通り(今永昇太、戸郷翔征、髙橋宏斗、伊藤大海、大勢、ダルビッシュ有、大谷翔平)、選手に「この通り行きますよ」っていうのを伝えた。だけど今永先発って決めたあとにアメリカ戦見てたら(アメリカ打線が)左ピッチャーにやたら強かったんで「これ失敗したかな」と思ったんですけど、今永も1本ホームランを打たれましたけど頑張ってくれましたよね。

五十嵐:この順番で行くよってなったときのポイントっていうのはどこになってくるんですか?

吉井:並べたら相手が打ちづらいかなっていうタイプですよね。左ピッチャーでスライダーボールの今永のあとに戸郷のフォークボールを見せて、そのあとに球の強い、速いフォーク投げる髙橋宏斗。そのあとに安定感のある伊藤。一番強いバッターが回ってくるとこかなと思ったんで、そこに伊藤を温存しといて。ダルビッシュと大谷は監督がこうしたいって言ったんで、これはもう決まってたんですよ。

五十嵐:9回、8回が決まってれば、そこまでどうするかですよね。

吉井:ダルビッシュが1点取られてるんですけども、ダルビッシュってピッチングコーチがマウンドに来られるのはすごく嫌がるピッチャーなんですよ。だけど初めて「吉井さん、よく来てくれました」って言われて。

五十嵐:その場で?

吉井:ほんとパニックになってたみたい。

五十嵐:でも吉井さんもダルビッシュ投手が行くの嫌だって思ってるの知ってるから、行くのちょっと躊躇しませんでした?

吉井:躊躇したけども、いつものダルビッシュらしくなかったんで、これはやっぱ行かなあかんなと思って。

五十嵐:そのときなんて声かけたか覚えてます?

吉井:いや、たぶん大したことは言ってない。「ダル、ちょっと時間を置きに来たよ」みたいな。「次のバッター、初球は何で行こうか?」みたいな、そういう話をした。

五十嵐:コーチがマウンドに行ってすることはシチュエーションによって違うんですか?

吉井:だいたいマウンドに行こうと思うタイミングは、ピッチャーが「しまった」「何とかしなくっちゃ」って2回思ったときに行こうと思ってるんですよ。1回目は自分のやり方で修正できるかど、2回目のミスって(自分が)できないことをやり始めるんですよね。そうなるとやっぱり具合悪いんで。あ、こいつ2回目の「しまった」思ってるなっていうときにマウンド行って、関係ない話をして、ちょっと冷静に戻して帰ってくる。そこで配球のことを言うと逆効果。あそこで細かいことを言っても選手は聞いていない。素の自分に戻してあげるのが仕事だと思ってるんでね。あのとき初めて本当ダルビッシュにそんなに言われて「行ってよかったな」って、ちょっとうれしかったです。

「意外に冷静だった」

五十嵐:でも大谷選手は打順に回ってきてたら、前のイニングに(ブルペンで肩を)作ることができないじゃないですか。だからその前(7回に)作るしかないんですけど、このタイミングもうまくハマったなと。どんな感じて見ていたんですか?

吉井:いや、もうそこは大谷に任すしかないなと思って。「大丈夫なんか?」って聞いたら「大丈夫です!」って言ってたんでね。監督はやたら(大谷が)ブルペンに行くまでの道を気にしてて、こっそり裏からブルペンに行って(肩を)作って出てきてほしかったみたいなんですよ。演出としてね。

五十嵐:でも8回裏の日本の攻撃が大谷選手のあとぐらいからだったので、ブルペンで肩を作ることに専念できた。この流れになったっていうのが、やっぱそこも含めて、大谷選手すごいなって思うんですよ。

五十嵐:でも優勝した瞬間っていうのはどんなお気持ちでしたか?

吉井:そうですね。「めっちゃうれしい」っていう感じではなくて「やっぱり優勝したか」みたいな。最後の大谷の三振も、横から見たら何投げたかわかんなかったですけど、「空振りした!」って感じでした。

五十嵐:試合の中で「勝つだろう」みたいな感じで見てるから、なんか冷静さもどっかにありましたですよね。

吉井:ありました。「やっぱり勝つか」みたいな。もうちょっとなんかはしゃげばよかったなと思ったんやけども、意外に冷静でししたね。

五十嵐:こういう話をしてるとWBC始まるの楽しみですね。

吉井:楽しみですね、本当。だからワクワクが止まらない。もういちファンとして応援しますよ。また新しい感動するドラマが生まれるかもしれないですよ。

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