佐々木朗希&山本由伸“豪華リレー”は想定外? 「ちょっとやっぱり不服そうでした、でも…」WBC優勝の舞台裏

スポーツナビ

【Photo by Mary DeCicco/WBCI/MLB Photos via Getty Images】

 2023年のWBC、なぜ日本は優勝できたのか? その裏側にあった緻密な戦略とは?2023年のWBCで投手コーチを務めた吉井理人氏と、元プロ野球選手の五十嵐亮太氏が、スポーツナビ公式YouTube野球チャンネルに登場。今だからこそ話せる激闘の舞台裏を語り尽くす。投手選考の基準から、選手とのコミュニケーション、そして歴史的な試合の裏で起きていた知られざるドラマまで、当事者の言葉で紐解いていく。
※この対談は1月下旬に実施したものです

「アメリカのバッターに合わなそうなピッチャー」

五十嵐:2023年のWBCはなぜ優勝できたのか、というところを振り返っていきたいのですが、前回WBC投手コーチだった吉井さん、やっぱりアメリカのバッターに合わなそうなピッチャーをチョイスするって言ってたじゃないですか。その球種とかって具体的にあったりします?

吉井:まあ、まっすぐとフォークでしょうね。

五十嵐:やっぱフォークですか。

吉井:フォークですね。メジャーでも日本風のフォークを投げているピッチャーはほぼいないんで、そこは通用すると思ってましたね。

五十嵐:じゃあやっぱりフォークがしっかり落ちる、使いこなせるピッチャーっていうのは優先的になってくるってことですね。

吉井:そうですよね。あとは…伸び真っスラ。

五十嵐:伸び真っスラ!

吉井:アメリカのピッチャーって結構シュート回転するピッチャーが多いんですよね。湯浅(京己)みたいな伸びる真っスラを投げるピッチャーは少なかったんで。(宇田川)優希も真っすぐはどっちかって言ったら伸びまっスラだったんで。

五十嵐:これはもう監督もそれに対しては…

吉井:「いいね」って言ってくれたんで、それを中心に。あと監督の中にも(先発の4人は)ダルビッシュ、大谷、山本由伸、佐々木朗希。球界のためにもやっぱり山本と佐々木朗希を入れたいって言ってたんですよね。今後、日本を背負っていく若手の2人だったんで。

「ピッチャーはみんな早めに知りたい」

五十嵐:先発4人っていうのをどうしていくかって話をしたんですけども、これはいつ頃に決まっていくんですか。

吉井:合宿が始まる頃ですかね。それまでシミュレーションしてたんで。

五十嵐:このシミュレーションっていうのも、吉井さんはもう「逆算」って言うじゃないですか。決勝を誰にするかっていう計算をしていって。これってどの段階で選手に伝えるんですか。

吉井:確定ではなくても「ほぼこうなる」みたいなのは自分は正直に言うタイプだったんで、わりと早めに。伝えたのはもしかしたら合宿入ってからかな。

五十嵐:でもその前には吉井さんの中ではもう決まっていたんですね。

吉井:だいたい決まってて。多分この時期のピッチャーはみんな、リリーバーも早めに知りたいと思うんで。「この試合投げるよ」っていうのは、もうほぼ全員に伝えてましたね。

五十嵐:いろんなシチュエーションを考えながら何パターンとかって用意するんですか?

吉井:そうですね。だいたい順調に行くパターンと、何かあったときのパターンと。ダルビッシュはあんまり調子良くなかったんです、この大会。実戦で試合投げれなかったんで、調整が本当に難しかったんですよね。大谷も絶好調ではなかったけども、あいつは能力でカバーしてくれた。

五十嵐:能力というかポテンシャルの高さでね。多少良くなくても力で抑え込めますからね。

「スカウティングリポートに『日本のエスプレッソは美味しい』」

五十嵐:だから準々決勝(イタリア戦)で誰に投げてもらうかっていうことを考えたときに、初戦(の中国戦)は大谷選手になったっていう感じですね。

吉井:準々決勝に勝たないとアメリカに行けなかったんで、ここはもういいピッチャーでっていう逆算ですね。

五十嵐:イタリア代表のベンチサイドに僕いたんですけど、コーヒーメーカーがあったんですよ。イタリアやっぱコーヒー好きなんだなと思いました。

吉井:スカウティングレポートにも書いてあったですよ。「日本のエスプレッソはなかなか美味しいと言っている」みたいなことが書いてあって(笑)、それいるかな?と思ったけど、面白かったですね。まあでもちょっとしつこいチームで嫌らしさはありましたけどね。

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