大雪で「幻」と消えた男子スーパーチームのメダル “まさかの幕引き”の背景、竹内択が解説
男子スーパーチームは今大会から採用された種目で、1チームにつき4人が2回ずつ飛ぶこれまでの「団体」とは違い、2人が最大3回飛んでその総合得点を競う。1本目で二階堂が131.5メートル、小林が129.0メートルで5位につけ、2本目では二階堂が131.0メートル、小林が130.0メートルで6位。迎えた3本目は二階堂が138.5メートルのビッグジャンプを見せて暫定2位に浮上するも、2人目のジャンプを数人残した状態で雪が強くなり中断。そのまま3本目はキャンセルとなった。
会心のビッグジャンプが文字通り「幻」となった二階堂。そして、あと少しで回ってくるはずだったラストジャンプを飛べなかった小林。この異例な結末を迎えた新種目を、専門家はどう見ていたのか。バンクーバー、ソチ、平昌と3度の冬季五輪出場を果たし、現在はスキージャンプ界で初の「プロアスリートチーム」を率いる竹内択さんに、男子スーパーチームで起こった異例の事態や日本勢のパフォーマンスについて振り返ってもらった。
「それも五輪」。早かった運営のキャンセル判断
テストジャンパー(競技前や競技中、安全性の確認やレール状況の整備のために試飛を行うジャンパー)が多く入れば、雪が降っていても再開できるケースはあります。今回もテストジャンパーは入ったようですが、中断前に飛んだドイツと再開直後に飛んだポーランドでは滑走スピードが時速3キロも違っていました。このようにスピードがかけ離れ過ぎるのは不公平であり、キャンセルになり得ます。そういった点も重なり、今回の判断になったと言えそうです。
二階堂選手は今日もミスが少なく、安定したジャンプができていたと思います。1本目と2本目は距離こそ思うように伸びませんでしたが、今シーズンの彼はずっと自分のジャンプに集中できている。3本目のビックジャンプが記録に残らなかったのは、見ていた側の私としても非常に悔しいですね。試合後には彼も「これがオリンピック、そう思うしかない」と受け入れていましたが、表情から悔しさややるせなさを感じました。
小林選手は本来の実力を考えると、やっぱり不調なのかもしれないと感じました。踏み切りにも少しズレがありましたし、上半身をいつもより使いすぎてもたついてしまった印象です。本人も「最後に自分のジャンプでメダルを勝ち取る」とイメージしていたはずですし、ラストを飛べずに終わるという展開は見ている方にとってもモヤモヤが残る形になりました。二階堂選手とはまた違った部分で、彼も悔しさをかみしめていると思います。