高木美帆、銅メダルだけじゃない500mの収穫 “最大目標”1500mとチームパシュートへ改善に成功

沢田聡子

オランダのファンからの“美帆コール”

オランダ勢に次ぐ3位に入り銅メダルを獲得した高木(写真右) 【写真は共同】

 ミラノで一つレースを終えるごとに、高木美帆は自らのスケーティングをつかみつつある。

 500mについては、高木は形の上では補欠ではあったものの、昨年末の全日本選手権で五輪代表が発表された際「出るつもりの方が大きい」としていた。ミラノ五輪で高木は既に1000mの銅メダルを獲得しており、またチームパシュートや最大の目標である1500mにも出場する。他の種目との兼ね合いもあり、500mに出場するかどうかは高木の判断に委ねる前提になっていた。1000mで銅メダルを獲得したものの、そのレース後に高木は「このままでは終わらせない」「まだまだいける」と語っており、500mへのエントリーは、出られるレースにはすべて出たいという意欲の表れとみることもできる。

 今季のワールドカップでは500mの出場が少なかった高木は、4組目で滑走。37秒27というタイムは、12組目で滑走したユタ・レールダム(オランダ)まで暫定1位だった。最終的には、五輪新記録となる36秒49を記録したフェムケ・コク(オランダ)、レールダムに続く3位となり、1000mに続く銅メダルを獲得した。

 スタンドをオレンジで染めたオランダのファンから“美帆コール”で讃えられた高木は、「あ、してくれるんだ」と思ったという。

「素直に『嬉しいな』と思う気持ちと、上2人の選手をリスペクトする気持ちというのは同時にありましたね。で、次は(オランダと対戦する)パシュートなので『負けないぞ』という気持ちもありながら」
 
 長年第一線で戦い続ける高木は、スピードスケートを熟知するオランダのファンからも愛されているのだ。

「お疲れ様」吉田雪乃へのねぎらい

 またレース後の高木は、メダリスト候補として500mに臨んだものの13位という結果だった吉田雪乃に駆け寄り「お疲れ様」と声をかけている。

「500mで今シーズン、ハイレベルのところで戦ってきて迎えたオリンピックには、すごくプレッシャーがあるんだろうなというのは感じていて。レース後の表情を見ても、駆け寄らずにはいられなかったというか。そういう感じと、あとは、今後にすごく期待しているので『また頑張ってほしいな』という気持ちでした」

 高木は、記者会見でも吉田について語った。

「今シーズン、彼女が500mでここまで上がってきている姿を見たからこそ、私も国内でのレースですごく刺激を受けた部分もありますし、やっぱり期待している選手の一人でもあるので。期待を背負ってオリンピックに出るということと、自分の満足のいく滑りができなかった悔しさというのは自分も分かるところがあるので、『また頑張ってほしいな』という気持ちがそのときはありましたね」

4回目の五輪を戦う高木は、自国の後輩にも目配りをしていた。

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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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