大谷翔平「満足したら終わるとき」の真意 26年は"New Showtime"の幕開け

丹羽政善

2026年のスタートを切った大谷翔平。今季はどこに目標を置くのだろうか 【Photo by Brandon Sloter/Getty Images】

大谷翔平の“てっぺん”とは何か

 てっぺん――その高さ、険しさは人それぞれ。

 オリンピックアスリートなら金メダル。ゴルファーはメジャー大会、テニス選手なら4大大会を全て制することで得られるキャリアグランドスラムという名誉。アメリカン・フットボールならスーパーボウル。

 メジャーリーグの世界であればそれはワールドシリーズ制覇であり、個人ならMVP(最優秀選手)ということになるのだろが、どちらか一つでも困難なその二つを過去2年、大谷翔平(ドジャース)は同時に手にした。野球選手とってそのW(ダブル)受賞は、1年で到達できるレベルとしては、それ以上が想像し難い。
 ちなみに過去、2年連続というケースはあったのか? 全米記者協会の投票でMVPが決まるようになったのは1931年から。以来、MVPを複数回受賞したのは大谷を含めて30人。まずはその30人について、MVPを獲得したシーズンにワールドシリーズも制したかどうかを調べてみた。するとそういう選手は、ちょうど半分の15人に達した。

 ところが、2回以上となると、大谷の他にはジョー・モーガン(レッズなど)、ジョー・ディマジオ(ヤンキース)、ミッキー・マントル(ヤンキース)の3人のみ。そのうちモーガンは1975年と76年に連続してMVPを受賞し、いずれもチームはワールドシリーズを制している。これは大谷と同じパターンだ。

 連続ではないが、ディマジオはMVPを3度獲得し(1939、41、47)、そのシーズンはいずれもヤンキースがワールドシリーズで勝っている。つまり3の3。マントルもMVPを3回(1956、57、62)受賞しているが、ワールドシリーズ制覇は2度だった。もっとも、勝てなかったシーズンもチームはワールドシリーズまで駒を進めている。

 こうして見てくると、同一シーズンにMVPとワールドシリーズ制覇を経験した選手は15人だが、W受賞が2回以上となると限られ、3回となるとディマジオただ1人。仮に今季、大谷がMVPを受賞してドジャースが優勝するなら、連続ではモーガンを越え、回数ではディマジオに並ぶことになる。

 ただ、大谷自身は、どうてっぺんをイメージしているのか? これ以上の高みが存在するのか?

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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