好調の二階堂、ラージヒルは悔しさの残る「銀」 肉眼では分からない“誤差”の明暗を竹内択が解説
小林陵侑のジャンプに見る、ラージヒルで距離を伸ばす鍵
そんな小林選手のジャンプの特徴は、空中でV字になるまでの速さ。ノーマルヒルではテレマークが勝敗を分けるポイントになりましたが、滞空時間が長いラージヒルでは板の向きや脚の開き具合、手の位置などを調整する「空中でのテクニック」も距離を伸ばす鍵になります。
そして、その空中につなげるためのアプローチも距離を大きく左右する要素と言えます。プレブツ選手のように上半身を起こさないで踏み切る選手もいれば、小林選手のように上半身を少し起こしつつ腰をやや前に入れる形でバランスを取る選手もいます。理想のアプローチ、理想の空中スタイルは人によってさまざま。そのため選手たちは、自身の骨格や体幹などに最適なやり方(=黄金比)を模索し続けているんです。
「安定」の日本代表、スーパーチームでは金メダルの有力候補
特に今日は、1本目の開始前から雨が降っていました。雨によってレールの状態も変わってきますし、ゲートを出てからの初速にも違いがあります。視界が見えづらくなることも含め、練習時との感覚のズレが気になる選手もいるでしょう。そういった中で安定したパフォーマンスを披露できた点は価値があります。
男子ラージヒルを見て、あらためてスーパーチームでは日本の金メダルの期待が高まりました。これは自国だからそう言っているわけではありません。客観的に見ても日本は有力候補です。二階堂選手にはラージヒルでの悔しさを晴らして金・銀・銅メダルを1つの大会でコンプリートしてほしいですし、小林選手には2本目で見せてくれたジャンプの勢いをそのまま保ってほしいですね。
経験と実績のある小林選手はすでに自分のスタイルを確立していて、彼に憧れる人も多くいます。そこにキャラクターの違う二階堂選手が台頭してきたことで、スキージャンプ界にはまた違った層のファンが増えるでしょう。より幅広い人がスキージャンプに興味を持ってくれるのはとても良いことですし、この五輪をきっかけにジャンプ界がいっそう盛り上がることを期待します。
竹内択(たけうち・たく)