女子ハーフパイプ日本勢4人が決勝へ “厳しいジャッジ”の予選から見えた決勝の勝負どころ
予選を1位で通過したのは、けがを抱えながら強行出場を決め、五輪3連覇を狙う女王クロエ・キム(アメリカ)だった。予選で唯一CAB(キャブ)1080を組み込み、「90.25」を記録。CAB1080だけでなく、高さのあるスイッチバック(逆足)エアなどを織り交ぜたスタイリッシュな構成で、滑りには余裕すら感じられた。
一方、メダル候補として上位通過が期待された韓国のチェ・ガオンは、1本目から高さのあるSB(スイッチバック)720からBS(バックサイド)920とつなげ、高難度の技を連発しながらも「82.25」で6位通過にとどまった。本人も「なぜこの点数なのか、わからない」と漏らしていたという。
16歳・清水さらが2位通過 “高さと回転”をそろえても伸びない点数
試合後、1本目について問われた清水は「今までの大会で一番緊張していなかった。ただ、ドロップの時のラインを縦に入りすぎてリズムが崩れた」と笑顔で説明。2本目を決めた心境は「安心の気持ち。緊張より楽しんでいる」とし、追い込まれた状況でも「後がなかったから『絶対に立つ!』という気持ち。1本目は『何やってんねん!』と思ってました(笑)」と振り返った。
決勝に向けては「夏から練習しているダブルコークだったり、新しい技もあるので見てほしい。一番高く飛ぶ気持ちで頑張る」「明日のルーティンは完全には決めていないので、コンディションを見ながら決めていく」と語っている。
安定感を示していたのが、清水の同級生・工藤璃星だ。2本目に清水と同じ、FS900からBS900の“900コンボ”を入れて「84.75」を得た。4位の予選通過について「ちょっと手をついてしまったりして点が伸びなかった。改善の仕方は分かってるので決勝で直すだけ」と課題を明確にしつつ、「飛んでる時に歓声が聞こえて、これがオリンピックかーって(笑)」と初出場らしい言葉も残していた。
3大会連続出場で、北京五輪銅メダルの冨田せなは9位通過。「1本目を失敗してしまって、不安がある2本目だったがしっかり決められてホッとしている。明日の決勝はリラックスしながら、かっこいい滑りがしたい」とコメントしている。会場には冨田の妹・るきも駆けつけていた。今大会は出場が叶わなかったが、スタンドから姉の滑りを見守り、声援を送る姿が印象的だった。
決勝は「構成とバリエーション」がカギに
小野は採点傾向について「ジャッジがいつものW杯と見ているところが違うなというのは感じた」と語り、決勝へ向けては「みんな900を2回入れてきたり、1本目でちゃんと決めて、2本目で攻めにいってたので。1本目からちゃんと決められるように調整したい」と整理する。
「点数がもっと出ると思った」という感覚があった中で、小野は「900を1つしか入れてなかったからかな…完成度高くてもオリンピックはそういう感じか…と思った」と受け止めつつ、「決勝はCAB900をしっかり決めて、SBの回転もやれば評価されるはずなので、信じて頑張りたい」と前を向いた。
予選は全体として点数が伸びにくい印象だった。決勝では完成度に加え、技の“バリエーション”や難度構成がより強く問われそうだ。高難度の組み合わせ、スイッチスタンスからの技が評価されやすい傾向が見える中、各選手がどんなルーティンを組み、攻めてくるのか。
また、決勝は滑走が3本に増える。採点として反映されるそのうち最高得点の1本で、各選手は攻めた構成で勝負に出るはずだ。回転数も1080、さらには1260へ——難度を一段階引き上げたルーティンが次々に投入されるはず。予選の“厳しい採点”を踏まえた上で、誰がどこまで攻め、どこまでまとめ切るのか。明日の決勝が待ち遠しい。
(取材・文:岩垂かれん/スポーツナビ)
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ