「絶対に攻める」決まった大技“1440” 逆転金・村瀬心椛はもう一つの挑戦へ

スポーツナビ

【写真は共同】

 現地時間2月9日に行われたミラノ・コルティナ五輪、スノーボードビッグエア女子。先日の男子に続き、女子でも日本人金メダリストが誕生した。村瀬心椛(21)が3本目に逆転し、金メダルを獲得した。

 3本目の着地は完璧だった。板が流れず、減点要素のないランディングでまとめた。 2位に「6.75」点差をつけ、堂々の金メダルを獲得。村瀬は着地した瞬間に拳を突き上げ、頭を抱え涙を流した。

「金」を取りに行くために“攻め”を選んだ

 村瀬は1本目からいきなりバックサイド(BS)トリプル1440(4回転)を出し、クリーンな着地を決めると、「89.75」という今大会一番の高得点をたたき出した。

 銀メダルのニュージーランド、ゾイ・サドフスキシノットは2本目に同じBSトリプル1440で「88.75」と村瀬に1点届かず。銅メダルの韓国ユ・スンウンも1本目に同じ技で挑み「87.75」。上位陣が同難度の技を揃える中で、村瀬の1本目がいかに高い完成度だったかを示す結果になった。

 一方、村瀬は2本目にフロントサイド(FS)トリプル1260で勝負に出るが、着地がわずかに流れて「72.0」。点数を伸ばせず、最終滑走勝負となった。

 金メダル獲得直後の取材で、彼女は2本目について次のように明かしている。

「2本目はFS1440を狙いにいったが、1260になってしまった」

“置き”にいったのでなく、2本目からすでに“攻め”を選択していたことがうかがえる。さらに、気持ちの切り替えについても言葉にした。

「すぐに気持ちを切り替えて、『できる、できる。次絶対できる』と言い聞かせてました」

 最終局面で修正点を明確にし、再現度を高めて本番に合わせた点は、勝負強さを裏づける。村瀬は2本目から3本目にかけて、スピンに入る先行動作の“かけ”を強めたという。

「今までは“守り”に行くことが多くて、あんまり良い成績が出なかった。本当に勝ってやるって気持ちがないと金メダルはとれないと思って、今日は『絶対に攻める』って決めていました」

 そのコメントは、技の選択だけでなく、勝負の入り方そのものを変えたことを物語っていた。

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