「想定内」の言葉ににじむ二階堂蓮の自信 納得のジャンプが導いた「銅」に竹内択が羨望
1本目に101.0メートルのジャンプで6位につけた二階堂は、首位とわずか4.5点差で2本目に臨んだ。迎えた2本目では強豪選手が高得点を連発する展開の中、二階堂も106.5メートルのビッグジャンプを見せ、グレゴア・デシュバンデン(スイス)と同点で並ぶ3位タイに。金メダルを手にしたのは、2本ともトップスコアをマークし、合計274.1点を叩き出したフィリップ・ライムント(ドイツ)。2位に輝いたのは、ライムントとわずか3.4点差の270.7点をマークしたカツペル・トマシャク(ポーランド)だった。
テイクオフのタイミング、風、メンタル、そして運――。そのすべてがかみ合った選手だけが勝者となるスキージャンプ。優勝候補と見られていた小林やドメン・プレブツ(スロベニア)が表彰台を逃すなど、7日に行われた女子ノーマルヒルと同様に男子ノーマルヒルもまったく読めない試合展開となった。バンクーバー、ソチ、平昌と3度の冬季五輪出場を果たし、現在はスキージャンプ界で初の「プロアスリートチーム」を率いる竹内択さんに、この大接戦となったスキージャンプ男子ノーマルヒルを振り返ってもらった。
風を味方につけた実力者たちがビッグジャンプを連発
ただ、スキージャンプでは「強い選手にはいい風が吹く」と言われるほど、風を味方にすることが重要です。もちろん追い風や向かい風には有利不利に応じて点数補正が入りますが、最終的にジャッジするのは人であり、飛距離が伸びたジャンプのほうが飛型点でも高評価を受けやすいという側面があります。
もう一つ、大切なのがメンタルです。スキージャンプはゴルフと似ていて、同じ動きをどれだけ高い精度で繰り返せるかという「再現性」が求められるスポーツ。動きがシンプルな分、いろいろと悩んでしまうこともありますが、あまり難しく考えずに飛び続けることが好調を維持する秘訣でもあります。
今回の種目で言うと、暫定1位になるための目安となる距離を示す「To beat(トゥービート)」が終盤、107メートル前後とかなり長い距離になっていました。そこを「自分なら超えられる」と自信を持って飛ぶのか、「超えなければ勝てない」とプレッシャーを感じながら飛ぶのかでは、結果は大きく変わるはずです。
その点で二階堂選手は、「メダルは想定内だった」とジャンプ後のインタビューで語ったことからも、いい精神状態で飛べていたのではないでしょうか。練習ラウンドや公式トライアルで3位以内のジャンプが多くなかった中でこう言い切れるのは、自分の中で確かな手応えをつかんでいたからだと思います。