スピードスケート高木美帆は通算8個目の偉業 女子1000mのハイレベルな戦いを清水宏保が称賛

吉田昭彦

「アウェーの地」で見せた日本選手たちの奮闘

金メダルのレールダム。アイメイクがにじむほどのうれし泣きをフィニッシュ直後に見せた 【Photo by Ranjith Kumar/NurPhoto via Getty Images】

 会場で見ていて思ったんですけど、オランダ勢の応援がすごいんですよ。さすがスピードスケート発祥の地らしく熱量が高いんでしょうね。ヨーロッパで行われている五輪だからというのもあるかもしれません。レールダム選手自身もオランダ国内で人気がありますし、彼女の婚約者も人気YouTuberでプロボクサー。レース後は、彼のところにもカメラが殺到していましたよ。

 そういう意味では、日本人選手にとってはある意味「アウェー」の戦いです。高木選手はもちろんそれも理解した上ですが、よく立て直していったレースなんじゃないかなと思います。僕は長野五輪で金メダルを取りましたが、そういう意味では「ホーム」でしたし、歓声もたくさんいただいていました。ただ、レース中はもう集中しているので、歓声が聞こえなくなってしまうんですけどね。

 また、多くの選手がそうだと思うのですが、その大会の最初のレースはナーバスになりがちです。最初の1000mを無事終えたことで、気持ちが楽にはなっていくのではないでしょうか。

競技の垣根を超えたメダルの「いい波」に期待

今大会は仮設リンクだが、「素晴らしいリンクだと思う」と清水さん。今後も選手たちの記録に期待できそうだ 【写真は共同】

 ミラノ・コルティナ五輪の第4日が終わりましたが、ほかの競技も日本勢のメダルラッシュが続いています。この雰囲気は、選手にとって非常にポジティブな影響があると信じています。というのも自分自身、現役時代はそこまで感じていなかったのですが、引退してから振り返ってみると、日本選手が前半からメダルを取っていくと、競技の枠を超えて日本選手団全体が勢いづいたように思うんです。競技間で「いい波ができる」という意味では、現時点で非常に良い状況なのではないでしょうか。

 また、今大会のスケート会場は仮設リンクです。いろいろな意見がありますが、僕自身の所感としては、仮設とは思えない素晴らしいリンクに感じますね。結果として、オリンピックレコードも出ていますしね。経験豊富なスタッフが熟練の技で氷作りをしているので、クオリティは間違いないのではないかと思いますので、今後の日程の選手たちの滑りにも期待が持てそうです。

 高木選手はパシュートや1500m、山田選手と吉田選手は500mを控えています。強い海外勢に食らいついていくには、1000mの勢いや手応えを生かしていくことがカギになるでしょう。まだ五輪は始まったばかりなので、これからの彼女たちのレースに注目してみてくださいね。

清水宏保(しみず・ひろやす)

【提供:有限会社Shimizu】

 1974年(昭49)2月27日、北海道帯広市生まれ。白樺学園高-日大。94年リレハンメル五輪から06年トリノまで4大会連続出場。98年長野では500メートルでスピードスケート日本勢初の金、1000メートル銅。02年ソルトレークシティー大会500メートル銀。世界距離別選手権500メートルで5度の金。10年に現役引退。

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著者プロフィール

元出版社勤務、現在はフリーランスで活動。サッカー専門誌をはじめ、モータースポーツ、ゴルフ、マラソン、トレイルランニングなどの雑誌作りに携わる。趣味はサッカーや陸上の観戦と、ゴルフ、マラソン、トレイルランニングの競技参加。

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