スピードスケート高木美帆は通算8個目の偉業 女子1000mのハイレベルな戦いを清水宏保が称賛
高木は北京五輪の女子1000mで五輪記録(1分13秒19)をマークして金メダルを獲得しており、2連覇を期待されていた。今回も1分13秒95と好タイムでフィニッシュしたものの、女子500m世界記録保持者のフェムケ・コク(オランダ)が1分12秒59、北京女子1000m銀メダルのユッタ・レールダム(オランダ)が1分12秒31と次々に五輪記録を更新。スケート大国オランダの実力を見せつけて金銀を独占した。
ハイレベルな争いの勝負の分かれ目はどこにあったのか。また、五輪初戦を終えて今後のレースにどうつながっていくのか。長野・ソルトレークシティと2大会連続でメダルを獲得し、現在はスポーツキャスターや解説者としても活躍する清水宏保さんに、レースの戦いぶりと今後の展望を聞いた。
金・銀の2人が高木の五輪記録を上回るハイスピードなレース展開
高木選手本人も言っていましたが、今シーズンはずっと苦しんできました。そんな中で、五輪という大舞台にしっかりと調子を合わせてきたのはさすがの一言ですし、大会最初の種目で銅メダルを取れたのは評価できることだと思います。フィニッシュ後には、金メダルのレールダム選手や銀メダルのコク選手を称えるような笑顔も見せていましたし、「表彰台に上がってから悔しい思いが時間差でわいてきた」というインタビューも印象的でした。
高木選手の今回のタイムは1分13秒95で、北京で金メダルを取ったときのタイムは1分13秒19。1分13秒台は優勝争いのタイムかと思っていたのですが、レールダム選手が1分12秒31、コク選手が1分12秒59と2人とも1分12秒台の五輪記録をたたき出し、驚かされましたね。今シーズンのW杯女子1000mを振り返っても、レールダム選手は3勝、コク選手は種目別総合優勝と、絶好調さが出たように思います。
また、1000mという種目はスプリントなので、ペース配分などを展開によって変えるといったことはなく、しっかりと前半からスピードに乗らないといけません。インスタート(トラックの内側のコースからのスタート)はアウトスタート(トラックの外側のコースからのスタート)よりも有利と言われていて、高木選手はイン、レールダム選手はアウトでした。インスタートだと円周が短い分、前半で相手よりも前に出ることができるのですが、思っていたより早い段階で詰められてしまったように見えました。後半に立て直すのはかなり難しいので、その時点でけっこうきつい展開だったと思いますが、しっかりと最後まで食らいついていきましたね。レールダム選手もコック選手もアウトスタートで記録を出しているので、実力の高さを証明しているなとも感じます。
この種目では、ほかの日本人選手も大健闘でした。7位の山田選手も16位の吉田選手も、五輪は初めてというプレッシャーもあったでしょう。特に吉田選手は、レース後のインタビューで「かなり緊張して身体がガチガチだった」と話していたようなので、自身としては決して満足行くものではなかったかもしれませんね。それでも、2人とも今後に向けて良い経験が積めたと思います。